秘められた〈音楽の知〉を可視化する!
作曲家の視点から〈聖典〉にメスを入れ、
バッハの意図と創作過程を明らかにする。
現代日本を代表する作曲家のひとりである著者が、ドイツ・バロック音楽の総決算にして、バッハのキャリア前半の「白書」ともいえる《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》全24曲を、各曲ごとの解説と書き込み入り楽譜(2色刷)で読み解く。
現代の作曲家の視点によるピアノ演奏実践への手引きとして活用できるだけでなく、当時の作曲における慣例や伝統を知り、創作過程をたどることのできる刺激的なバッハ論ともなっている。
対位法・フーガ・調的連関によってネットワーク化され、重層構造をなす作品の様相から、バッハの革新性にせまり、そこに秘められた〈音楽の知〉を可視化する!
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プロフィール
小鍛冶邦隆(こかじ・くにたか)
東京藝術大学作曲科在学中より指揮者・山田一雄のアシスタントをつとめ、同大学院をへて、パリ国立高等音楽院作曲科でO.メシアン、ピアノ伴奏科でH.ピュイグ゠ロジェほかに、またウィーン国立音楽大学指揮科でO.スウィトナーに学ぶ。自作を含むプログラムで東京都交響楽団を指揮。以後新日フィル、日フィル、東響、東フィルなどを指揮。2003年度東京現代音楽アンサンブルCOmeT公演「室内オーケストラの領域Ⅲ」にたいして第3回佐治敬三賞受賞。クセナキス作曲コンクール(パリ)第1位、入野賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞,国際現代音楽協会(ISCM)「世界音楽の日々」ほかに入選。
著書に『作曲の思想─音楽・知のメモリア』(アルテスパブリッシング)、『作曲の技法──バッハからウェーベルンまで』(音楽之友社)、『バッハ様式によるコラール技法』(共著,音楽之友社)、『楽典──音楽の基礎から和声へ』(共著、アルテスパブリッシング)、訳書に『ケルビーニ 対位法とフーガ講座』(アルテスパブリッシング)、監修書にベルリオーズ/ R.シュトラウス『管弦楽法』(音楽之友社)、ボワヴァン『オリヴィエ・メシアンの教室』(アルテスパブリッシング)、CDに『ドゥブル-レゾナンス』『マドリガル或いは愛の寓意Ⅰ–Ⅵ』(以上ALM RECORDS)ほかがある。
東京藝術大学音楽学部作曲科教授、慶應義塾大学大学院文学部、東京大学教養学部非常勤講師などをへて、現在東京藝術大学名誉教授。
CONTENTS
序論 《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》を読み解く前に
《平均律クラヴィーア曲集》の位置づけ
各曲のあり方と関連性
前奏曲とフーガに関する若干の知識
本書について
楽曲分析
前奏曲とフーガI ハ長調 BWV846
前奏曲とフーガII ハ短調 BWV847
前奏曲とフーガIII 嬰ハ長調 BWV848
前奏曲とフーガIV 嬰ハ短調 BWV849
前奏曲とフーガV ニ長調 BWV850
前奏曲とフーガVI ニ短調 BWV851
前奏曲とフーガVII 変ホ長調 BWV852
前奏曲とフーガVIII 変ホ/嬰ニ短調 BWV853
前奏曲とフーガIX ホ長調 BWV854
前奏曲とフーガX ホ短調 BWV855
前奏曲とフーガXI ヘ長調 BWV856
前奏曲とフーガXII へ短調 BWV857
前奏曲とフーガXIII 嬰ヘ長調 BWV858
前奏曲とフーガXIV 嬰へ短調 BWV859
前奏曲とフーガXV ト長調 BWV860
前奏曲とフーガXVI ト短調 BWV861
前奏曲とフーガXVII 変イ長調 BWV862
前奏曲とフーガXVIII 嬰ト短調 BWV863
前奏曲とフーガXIX イ長調 BWV864
前奏曲とフーガXX イ短調 BWV865
前奏曲とフーガXXI 変ロ長調 BWV866
前奏曲とフーガXXII 変ロ短調 BWV867
前奏曲とフーガXXIII ロ長調 BWV868
前奏曲とフーガXXIV ロ短調 BWV869
分析楽譜
前奏曲とフーガI ハ長調 BWV846
前奏曲とフーガII ハ短調 BWV847
前奏曲とフーガIII 嬰ハ長調 BWV848
前奏曲とフーガIV 嬰ハ短調 BWV849
前奏曲とフーガV ニ長調 BWV850
前奏曲とフーガVI ニ短調 BWV851
前奏曲とフーガVII 変ホ長調 BWV852
前奏曲とフーガVIII 変ホ/嬰ニ短調 BWV853
前奏曲とフーガIX ホ長調 BWV854
前奏曲とフーガX ホ短調 BWV855
前奏曲とフーガXI ヘ長調 BWV856
前奏曲とフーガXII へ短調 BWV857
前奏曲とフーガXIII 嬰ヘ長調 BWV858
前奏曲とフーガXIV 嬰へ短調 BWV859
前奏曲とフーガXV ト長調 BWV860
前奏曲とフーガXVI ト短調 BWV861
前奏曲とフーガXVII 変イ長調 BWV862
前奏曲とフーガXVIII 嬰ト短調 BWV863
前奏曲とフーガXIX イ長調 BWV864
前奏曲とフーガXX イ短調 BWV865
前奏曲とフーガXXI 変ロ長調 BWV866
前奏曲とフーガXXII 変ロ短調 BWV867
前奏曲とフーガXXIII ロ長調 BWV868
前奏曲とフーガXXIV ロ短調 BWV869
あとがき