〈Booksウト〉

新装版 バッハ・古楽・チェロ
アンナー・ビルスマは語る

定価:本体2200円[税別]送料:国内無料

  • 四六判・並製 | 304頁
  • 発売日 : 2020年6月26日
  • ISBN 978-4-86559-226-9 C1073
  • ジャンル : クラシック/バロック音楽/演奏家
  • カバー写真:Marco Borggreve/ブックデザイン:中島浩

追悼:アンナー・ビルスマ(1934–2019)
古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠が語る
「音楽」「楽器」「人生」。

音楽は「言葉」。
そして、演奏とは「語る」こと──。

草創期の古楽運動を牽引した
バロック・チェロの巨匠が
日本を代表するチェンバロ奏者と語り合う。
レオンハルト、ブリュッヘンらとの交遊、
「セルヴェ」ストラディヴァリウスなど名器・愛器、
バッハ《無伴奏チェロ組曲》などをめぐる
音楽論・演奏論を語り尽くす!

幼少時代〜古楽創世記・現代までの貴重な写真を多数掲載。

2019年7月25日に逝去したアンナー・ビルスマを偲び、
普及版として新装発売!

矢澤孝樹氏(音楽評論)
喜びに満ちて、夢中でページをめくっていた。
読み終えて、すべてのクラシック・ファンにお勧めしたい一冊だ! と快哉を上げたくなった。
──レコード芸術 2017年3月号

那須田務氏(音楽評論家)
ビルスマの言葉は人柄そのままに音楽と人間への愛に溢れ、物事の本質を突いていて心に響く。
その上ユーモアたっぷり。読みながら大いに笑った。
──音楽の友 2017年1月号

横川理彦氏(音楽家)
“柔らかで、美しい音楽を楽しもうじゃないか”という
ビルスマのメッセージがひしひしと伝わってくる。
──サウンド&レコーディング・マガジン 2017年2月号

毎日新聞、産経新聞ほか各紙誌絶賛!

※本書は2016年にCD付き書籍として刊行された
 『バッハ・チェロ・古楽──アンナー・ビルスマは語る』から書籍を独立させ、
 共著者・渡邊順生による序文を追加し、
 その他加筆・訂正をほどこした新装版です。

 旧版の付属CDは2020年3月、コジマ録音から
 『アンナー・ビルスマin東京』と題して発売されました。
 http://www.kojimarokuon.com/disc/ALCD1196.html

プロフィール

  • アンナー・ビルスマ(Anner Bylsma, 1934–2019)
    1934年2月17日、オランダのハーグに生まれる。コンセルトヘボウ管弦楽団のチェロ奏者カレル・ファン・レーウェン゠ボームカンプに師事し、1957年ハーグ王立音楽院を卒業。1959年にはメキシコのパブロ・カザルス国際チェロ・コンクールで第1位に入賞。1962年から68年にかけてアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で首席奏者を務めるかたわら、バロック音楽にも積極的に取り組み、特にリコーダーのフランス・ブリュッヘン、チェンバロのグスタフ・レオンハルトとのアンサンブルは「黄金のトリオ」の異名を取った。
    1970年代に入ると、バロック・チェロによるバッハ《無伴奏チェロ組曲》を世界各地で演奏し、1979年にセオン・レーベルに全曲録音をおこなう。室内楽にも意欲的で、オリジナル楽器によるフレキシブルな編成の弦楽アンサンブル「ラルキブデッリ」を結成して多様な活動を展開するいっぽう、ピアニストで作曲家のラインベルト・デ・レーウらとともに現代音楽のアンサンブルである「ロンドム・クヮルテット」を結成し、メシアンの《世の終わりのための四重奏曲》などで高い評価を得た。バロックから古典・ロマン派を経て、近・現代の音楽にいたるまであらゆる時代のチェロ音楽を手がけたが、そのいずれにおいてもガット弦を張ったチェロを用い、ニュアンス豊かで生き生きとした演奏をおこなった。
    1962年に録音活動を開始し、独テレフンケンを皮切りに、ドイツ・ハルモニア・ムンディ、セオン、BASF、フィリップス、EMIなどのレーベルから多数のレコード・CDをリリース。1990年代からはソニー・クラシカルの古楽専門レーベルVIVARTEを中心に数多くの録音を残し、なかでも1992年にストラディヴァリ作の名器「セルヴェ」(モダン仕様)をもちいておこなったバッハの《無伴奏組曲》の再録音は、世界中の弦楽器界に大きな反響を巻き起こした。
    著作に『バッハ──フェンシングの達人(Bach — the Fencing Master)』(1998)、『バッハのセンツァ・バッソ(BACH senza BASSO)』(2012)、『バッハと特権的少数派(Bach and the Happy Few)』(2014)、『落としもの──バッハ《無伴奏チェロ組曲》の最初の3曲のための練習帳(Dropping — An Exercise Book for the First Three Cello Suites of Johann Sebastian Bach)』(2015)などがある。
    2019年7月25日、アムステルダムで逝去、享年85。

  • 渡邊順生(わたなべ・よしお)
    1950年、鎌倉市に生まれる。チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード奏者および指揮者として活躍。2010年度サントリー音楽賞受賞。一橋大学社会学部卒。アムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルトに師事。1977年、最高栄誉賞付きソリスト・ディプロマを得て卒業、またプリ・デクセランス受賞。フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、ジョン・エルウィスら欧米の名演奏家・名歌手たちと多数共演。ソニー、コジマ録音、創美企画などから多数のCDをリリース。2006年、崎川晶子との共演による『モーツァルト/フォルテピアノ・デュオ』でレコード・アカデミー賞(器楽曲部門)を受賞。著書に、『チェンバロ・フォルテピアノ』(東京書籍)、校訂楽譜に『モーツァルト:幻想曲とソナタ ハ短調』、『モーツァルト:トルコ行進曲付きソナタ』(ともに全音楽譜出版社)などがある。

  • 加藤拓未(かとう・たくみ)
    1970年、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル生まれ。専門はJ.S.バッハを中心とするドイツ宗教音楽史(特に受難曲の歴史)。国立音楽大学大学院修了。明治学院大学大学院博士後期課程修了(博士〔芸術学〕)。NHK-FM「バロックの森」「ベストオブクラシック」に解説者として出演。著作に『バッハ・キーワード事典』(春秋社)など。現在、明治学院大学キリスト教研究所協力研究員、合唱団「バッハ・ゲゼルシャフト東京」代表、NHK-FM「古楽の楽しみ」案内役。

CONTENTS

新装版への序(渡邊順生)

プロローグ(加藤拓未)

第1部 音楽活動、仲間たち、そして人生
 シモン・ゴルトベルク
 父のこと
 ハーグ王立音楽院への入学
 恩師レーヴェン・ボームカンプ
 ネーデルラント歌劇場管弦楽団
 カサルス・コンクール優勝
 スランプ
 ブリュッヘンとの出会い
 音楽家の「キャリア」について
 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 古楽へのシフト
 テレマン《パリ四重奏曲》の録音
 初期の活動──ブリュッヘンとレオンハルト
 ヴォルフ・エリクソン
 オランダ古楽界のこと
 ロンドム・カルテット
 フェラ・ベッツとの出会い
 ラインベルト・デ・レーウ
 マテイス・フェルミューレン
 ブダペストのリスト賞
 バッハの《無伴奏チェロ組曲》に取り組み始めた頃
 ハルモニア・ムンディでの録音
 「セルヴェ」ストラディヴァリウスとの出会い
 旅する音楽家
 日本人の古楽演奏家とその聴衆
 アムステルダム音楽院
 チェロのレッスン
 弟子たち
 鈴木秀美
 ラルキブデッリ
 音楽文庫
 私の病気について
 理想の演奏会

ビルスマのアルバムから

第2部 チェロ、センツァ・バッソ
チェロについて
 所有している楽器
 チェロ・ピッコロ
 「セルヴェ」ストラディヴァリウス
 バロックとモダン──チェロの構造の変化について
  〈エンドピン〉
  〈ガット弦〉
  〈スティール弦〉
  〈弓について〉
  〈楽器本体の変化〉
 音楽は「物語」
 重要な音、重要でない音
 「語る」音楽
 聴衆とともに演奏する
 「線の太い」音楽と「語る」音楽
バッハのセンツァ・バッソ
 バッハの無伴奏楽曲とは?
 3つの通奏低音手法
 アンナ・マクダレーナ・バッハの写本について

第3部 《無伴奏チェロ組曲》の奏法
 「ボウイングの原則」11箇条
 バッハの「エトセトラ」と「ゼクヴェンツ」

《無伴奏チェロ組曲》第1番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5メヌエット
 6 ジーグ
 ◎フランス様式とイタリア様式のボウイング

《無伴奏チェロ組曲》第2番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5 メヌエット
 6 ジーグ
 ◎運指法にかんして

《無伴奏チェロ組曲》第3番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5 ブーレ
 6 ジーグ
 ◎6つの組曲が作曲された順番は?

《無伴奏チェロ組曲》第4番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5 ブーレ
 6 ジーグ
 ◎ヴィオラ演奏説

《無伴奏チェロ組曲》第5番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5 ガヴォット
 6 ジーグ
 ◎ヴァイオリンの名手バッハ

《無伴奏チェロ組曲》第6番
 1 プレリュード
 2 アルマンド
 3 クーラント
 4 サラバンド
 5 ガヴォット
 6 ジーグ

第4部 音楽について、そしてボッケリーニ
 「文化」と「芸術」の違い
 演奏家について──グレン・グールド、パブロ・カサルス
 室内楽
 ヴィヴァルディの音楽
 ベートーヴェン
 モーツァルトの協奏交響曲(未完成)の第1楽章
 ボッケリーニについて
 弦楽五重奏曲の録音
 作曲家ボッケリーニ
 「ボッケリーニのメヌエット」
 ボッケリーニの音楽と時代精神
 ボッケリーニの弱音表示
 「人を楽しませる」音楽
 ハイドン、ベートーヴェンとボッケリーニ
 ボッケリーニの「サウンド」
 シューベルトへの影響
 ボッケリーニの消滅

ビルスマの思い出と彼の芸術(渡邊順生)
 ビルスマの思い出
 ビルスマの演奏
 佐々木節夫メモリアル・コンサート
 ビルスマのレコード
  アンナー・ビルスマ・コレクション
  ヴォルフ・エリクソンとダス・アルテ・ヴェルク・シリーズ(テレフンケン)
  セオンとBASF
  1980年代の録音
  ヴィヴァルテと1990年代
  ベートーヴェンのチェロ・ソナタ
  バッハの《無伴奏チェロ組曲》のDVD