柴田南雄 音楽会の手帖

定価:本体2800円[税別]送料:国内無料

  • 四六判・並製 | 400頁
  • 発売日 : 2016年12月23日
  • ISBN 978-4-86559-155-2 C1073
  • ジャンル : クラシック/現代音楽/作曲家
  • 装丁:寺井恵司

1970年代のクラシック・シーンが蘇る!
あなたはどのコンサートを一緒に聴きましたか?

生誕100年、没後20年記念出版!

カラヤン、ベーム、バーンスタインが次々に来日し、前衛音楽が実験的精神を迸らせていた日本クラシック界全盛期の音風景を活写する!
戦後日本音楽界最大の知性が1972〜82年の約10年間、朝日新聞紙上で展開した演奏会評を初めて集成。

作曲家の「耳」には何が響いていたのか──

◇早稲田大学教授・小沼純一氏による解説付き

●本書掲載の演奏会批評より──

聴き巧者が育たないこと、そこにも日本のオーケストラ運動の大きな問題点がある。──1972/9/12 東京交響楽団

そのポーズは独特で、それは従来この種の古楽器演奏の周辺に立ちこめていた一種の事大主義を吹き払うに充分である。──1973/2/21 ブリュッヘン

演奏者たちによって音になった瞬間にはじめて音楽そのものが生まれる、という印象が強いのだ。いわば作曲と演奏は一如であった。──1974/11/17 武満徹フェスティバル

こうした真の完成品に接すると、日ごろわれわれが暮らしている音楽の世界を超えた、ヨーロッパ文化そのものと相対している、という実感を味わう。──1975/3/16 ベーム指揮ウィーン・フィル

まるで他の指揮者たちはすべて間違っている、といわぬばかりのボリュームとテンポである。──1980/4/17 チェリビダッケ指揮ロンドン交響楽団

東京の聴衆は東京のいくつもあるオケから常日ごろ、こんなに熱いサービスを受けているだろうか。──1981/7/28 大阪フィルハーモニー交響楽団

プロフィール

  • 柴田南雄(しばた・みなお)
    1916年東京生まれ。
    幼時より母からピアノを習い、成城高校進学後、鈴木二三雄にチェロを学ぶとともに高校の文芸誌に音楽批評を寄せる。東京大学理学部植物学科、同文学部美術学科卒業。諸井三郎に対位法と作曲を、齋藤秀雄に指揮を学ぶ。
    1946年入野義朗らと新声会を結成し主宰。1949年第1回毎日音楽賞。1957年吉田秀和、黛敏郎、諸井誠らと20世紀音楽研究所を結成。1972年一柳慧、武満徹、高橋悠治らと「トランソニック」結成。1973年「コンソート・オブ・オーケストラ」で第22回尾高賞。同年「追分節考」を作曲し、以後多くのシアターピース作品を発表。1982年第13回サントリー音楽賞、紫綬褒章。1988年勲四等旭日小綬章。1992年交響曲「ゆく河の流れは絶えずして」ニューヨーク公演。同年、作曲と文筆の両活動により文化功労者に選ばれる。
    齋藤秀雄、井口基成らの「子供のための音楽教室」(後の桐朋学園音楽科)開設に参加したほか、お茶の水女子大学、東京藝術大学、放送大学などで作曲・音楽理論を講じ、後進を育てる。
    作曲においては洋の東西を問わぬ宇宙的な視野に立った音楽世界を提示。放送、新聞、出版を通じて洞察と知的刺激にあふれた旺盛な評論活動を展開。
    1996年2月2日永眠。享年79。

  • 小沼純一(こぬま・じゅんいち)
    1959年東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は音楽文化論、音楽・文芸批評。第8回出光音楽賞(学術・研究部門)受賞。創作と批評を横断した活動を展開。主な著書に『無伴奏──イザイ、バッハ、そしてフィドルの記憶へ』(アルテスパブリッシング)、『武満徹逍遥──遠ざかる季節から』『魅せられた身体──旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』(以上、青土社)、『本を弾く──来るべき音楽のための読書ノート』(東京大学出版会)、『映画に耳を──聴覚からはじめる新しい映画の話』(DU BOOKS)、『音楽に自然を聴く』『オーケストラ再入門』(以上、平凡社新書)ほか。創作に『しっぽがない』『ふりかえる日、日──めいのレッスン』(以上、青土社)、『sotto』(七月堂)ほか。

CONTENTS

【1971年】
1971/09/08 超前衛曲目に取り組む N響メンバーの自主公演「WE MEET TODAY」

【1972年】
1972/07/19 すがすがしい情感 ベートーヴェン・ディ・ローマ四重奏団
1972/07/19 「黄河」と「白毛女」を聴く 中国上海舞劇団
1972/08/19 快い叙情、安定した旋律 没後二〇年、平尾貴四男の夕べ
1972/09/16 能力いっぱいの熱演 東京交響楽団定期演奏会
1972/09/27 リストの大曲掘り起こす 若杉弘指揮読売響公演
1972/10/04 バルトークを透明音で コダーイ弦楽四重奏団
1972/10/28 創造意欲満ちて 篠崎史子ハープ個展
1972/11/22 あふれる色彩感 ズービン・メータとロサンゼルス・フィル
1972/12/20 低音弦に確実な技巧 ワルシャワ室内管弦楽団
1972/12/27 新作と聴衆を結ぶ 「室内楽’70」の第三回公演

【1973年】
1973/01/20 ベートーヴェンの「征服」ならず ジャン=ロドルフ・カールスのリサイタル
1973/02/03 鍛え上げた「男の音楽」 カールハインツ・ツェラーのフルート演奏会
1973/02/24 古楽器の限界に挑む フランス・ブリュッヘンのリコーダー演奏会
1973/03/07 年輪示す充実した演奏ぶり イタリア弦楽四重奏団東京公演
1973/04/04 伝統を超えた高橋の新作 日本プロ合唱団連合定期演奏会
1973/04/11 温かく、明るい音色 ソフィア・ゾリステン演奏会
1973/05/16 美しい弦 劇的な指揮 国立ワルシャワ・フィル演奏会
1973/05/19 力強く優美に、簡素に 野坂恵子筝リサイタル
1973/06/13 規模を縮小した現代音楽祭 現代音楽実験コンサート
1973/07/07 選曲に微妙な配慮 ジャック・カスターニェのフルート独奏会
1973/08/04 知的だが緊張の連続 ルードルフ・ケレルの演奏
1973/08/29 音色に澄んだ叙情 ディモフ弦楽四重奏団
1973/09/29 血肉と化している伝統的ドイツ様式 アンネローゼ・シュミット・ピアノリサイタル
1973/10/20 貴重な伝統的風格 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
1973/11/10 手すきの紙に似た伝統的香りの良さ ベルリン弦楽四重奏団
1973/11/28 荒っぽさ残るが伸び伸びと演奏 ウィーン八重奏団
1973/12/15 東洋的情趣のユン作品 20世紀の音楽をたのしむ会

【1974年】
1974/01/26 「一方通行」改革の実験 高橋悠治ピアノ演奏会
1974/02/06 鍛え抜かれた歌唱力 長野羊奈子独唱会
1974/02/20 華やかな技巧と見事な歌いぶり ポール・トルトゥリエのリサイタル
1974/03/09 心の通い合う和やかな響き 国立ハンガリー交響楽団演奏会
1974/05/29 深み増したベロフ 新フィル定期演奏会
1974/05/30 工夫された演出 三舞踊家も好演 ストラヴィンスキー「兵士の物語」
1974/06/05 完璧な合奏力示す クリーヴランド管弦楽団演奏会
1974/06/19 予想超える出来ばえ 東京室内歌劇場の喜劇二本立て
1974/06/22 美しく響かせた平の近作 NHK交響楽団定期公演
1974/07/24 名技生かし緩急自在に語る 東京五重奏団第一回演奏会
1974/08/19 すべて貪欲に飲み込んだ音楽祭 軽井沢アートフェスティバル
1974/09/07 卓抜の力量、際立つ個性 ニューヨーク・フィルハーモニック
1974/09/18 醒めた音、大胆な技 個性的なダニール・シャフランのチェロ
1974/10/09 すぐれた歌と演技 東京室内歌劇場公演「検察官」
1974/11/20 神経の細かな合奏 フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル/演奏の対照に興味 武満徹フェスティバル
1974/12/25 手ごたえ感じた「マーラー」 東京都交響楽団定期公演

【1975年】
1975/01/22 底に流れる日本的情感 諸井三郎「ヴァイオリン協奏曲」
1975/03/19 音楽の力だけで心を動かす カール・ベーム指揮ウィーン・フィル
1975/05/10 現代物に真価 ポール・ズーコフスキーのヴァイオリン
1975/05/21 活力と色彩感豊か モスクワ室内管弦楽団演奏会
1975/06/16 大胆な今日的な音 ひばり児童合唱団定期演奏会
1975/06/21 あまりにも古美術品的 ウルブリッヒ弦楽四重奏団東京公演
1975/07/19 瞬間を凝縮させ全体を導く エーリッヒ・ベルゲル指揮の読売日響
1975/07/05 幅広い音楽性と練達の技 マリウス・コンスタンとシルビオ・ガルダ
1975/09/13 伝統と絶縁した演奏形式 アンサンブル・タッシ
1975/11/01 自在な変化で魅了 アンドレ・プレヴィン指揮のロンドン交響楽団
1975/11/29 多彩さ見せた廣瀬作品 岡田知之打楽器アンサンブル「邦人作品の夕べ」
1975/12/13 音色にチェコの民族色 イルジー・ビエロフラーベック指揮の日本フィル
1975/12/15 ’75回顧 外来はね返せず低迷 ベスト5

【1976年】
1976/02/04 作為なしの自然な流れ ドレスデン・フィル演奏会
1976/02/07 強く明快に「古典交響曲」 ワシリー・シナイスキー指揮のモスクワ・フィル
1976/02/28 鋭い切り込みに物足りぬ演奏陣 エドワルト・マータ指揮の読売響定期
1976/04/26 現代作品の要求を実現 ジャンカルロ・カルディーニ ピアノ・リサイタル
1976/05/01 絶叫・衝撃音なき前衛演奏 サウンド・スペース・アーク第三回公演
1976/05/12 行き過ぎた撮影自由 ディアスポラ・ムシカⅠ
1976/06/02 よくわかる音楽観 自作を指揮のペンデレツキ
1976/06/09 個性的な音と様式 トゥールーズ室内管弦楽団
1976/09/11 戦前曲再現に成功 新交響楽団「日本の交響作品展」
1976/10/09 器楽奏、フルに活用 東京室内歌劇場「ルクレーシアの凌辱」
1976/10/13 自在な芥川の指揮 新交響楽団「日本の交響作品展」第二回
1976/11/13 名人技に頼りすぎ ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮のスイス・ロマンド管弦楽団
1976/12/07 本人に親しまれたブリテン 惜しい再ブーム後の死
1976/12/11 知的な印象を受ける アラブの弦楽器ウード公開演奏
1976/12/16 ’76回顧 ベスト5
1976/12/25 「第九」の季節に貴重な体験 マーラー「第十交響曲」の日本初演

【1977年】
1977/02/05 貫禄、純正音程の美しさ アンリ・オネゲル演奏会
1977/02/16 個性強く、骨格しっかり クリスティアン・ラルデとジマリー=クレール・ジャメ
1977/03/19 往年の作風への理解と共感 井上頼豊「日本のチェロ曲半世紀」
1977/04/20 現水準での最高のでき 若杉弘指揮・東響のマーラー「第三」
1977/05/21 音色・リズム感抜群 クリスティナ・オルティス
1977/05/28 やわらかい独特な響き ウィーン・ブロックフレーテ・アンサンブル
1977/06/29 二人のイスラエル人中堅指揮者、モーシェ・アツモンとエリアフ・インバル
1977/07/13 技術も感覚も調和 辰巳明子・高橋アキのデュオ・リサイタル
1977/07/27 星とともに降るサウンド 徹夜コンサート「THE MEDIA 3」
1977/09/24 派手すぎる狂女の動き ブリテンのオペラ「カーリュー・リヴァー」
1977/10/19 才能の表出、なお一歩 ウリ・セガル指揮の東京フィル
1977/11/05 前衛の亡霊が咲かせた徒花 シュトックハウゼンの雅楽作品
1977/12/03 奔放な情熱ほとばしる バルトーク弦楽四重奏団公演
1977/12/13 ‘77回顧 ベスト5
1977/12/16 感動薄い外来オーケストラ 実力ある日本人指揮者に期待
1977/12/17 問題点をはらむ「成功」 高橋悠治の異色リサイタル
1977/12/28 文人ふうの人柄にじむ ジャン=ジョエル・バルビエのサティ作品演奏

【1978年】
1978/01/01 日本人の感覚を生かせ 実力ある演奏家は海外に流出か
1978/01/18 古典と前衛 過不足なく表現 小林健次と一柳慧の合作リサイタル
1978/01/28 激しい指揮に温和な音 トロント交響楽団東京公演
1978/01/28 自分の中の「西洋ばなれ」 ネガティヴな理念を貫く
1978/02/05 FMと私 主義で批評をいうのはナンセンス
1978/02/15 円熟への過渡期 ストラスブール・パーカッション・グループ
1978/03/18 不協和音まとめる NHK交響楽団定期公演
1978/03/29 鳴りに鳴る八千本のパイプ ハインツ・ヴンダーリヒ オルガン演奏会
1978/06/03 舞台と観客に一体感 こんにゃく座オペラ「白墨の輪」
1978/06/10 定着した「今日の音楽」 タッシ演奏会、「武満徹作品の夕」
1978/07/01 ドイツ音楽の伝統継承 ユストゥス・フランツ ピアノ独奏会
1978/07/08 どこへ行ったのか チェロの豪快な音 トリオ・ダミーチ公演
1978/09/16 佳曲好演、じつに鮮やか ズデニェク・コシュラーの都響
1978/09/30 すばらしい名人技 デファイエ・サクソフォン四重奏団
1978/10/18 ベテラン芸の本領 ルドルフ・フィルクスニーのピアノ独奏会
1978/11/04 まったく今日的な感覚に驚き ギドン・クレーメル演奏会
1978/11/25 精妙な伝統生きる フィルハーモニア管弦楽団公演
1978/12/11 ‘78回顧 ベスト5
1978/12/16 合唱・独唱ともに好演 林光のカンタータ「脱出」

【1979年】
1979/01/27 どんな小楽句にもくっきり性格づけ アツモン指揮都響定期公演
1979/02/14 繊細で強靭な七作品 甲斐説宗追悼コンサートI
1979/02/24 開放的、あふれる生命感 ブルガリア室内オーケストラ演奏会
1979/05/19 気をとられソロ平板 クリストフ・エッシェンバッハの指揮とピアノ
1979/05/30 廣瀬量平の協奏曲 黒沼の好演で成功 民音の現代作曲音楽祭
1979/07/04 絶妙な呼吸のシューベルト ウィーン・ムジークフェライン管弦四重奏団
1979/07/18 進境いちじるしい若杉の指揮 都響公演・マーラーの「第三交響曲」
1979/09/22 現代の傑作を練度高く 英国ロイヤルオペラ「ピーター・グライムズ」
1979/10/17 四人それぞれに努力の成果 オーケストラ・プロジェクト’79
1979/10/03 精密に仕上げ大合奏へ導く 小澤指揮新日本フィル ブルックナー「第三」
1979/10/24 「苦悩」もサラリと カラヤン、ベルリン・フィルのマーラー「第六」
1979/11/24 圧巻ベルクの抒情組曲 アルバン・ベルク弦楽四重奏団演奏会
1979/12/13 ’79回顧 ベスト5

【1980年】
1980/01/19 節度あるさわやかさ ローラ・ボベスコ リサイタル
1980/03/12 「ゆらぎ」の効果出す 松平頼暁の「オシレーション」 NHK交響楽団定期公演
1980/03/29 安定した力と自信 メロス弦楽四重奏団
1980/04/23 弱奏・微速の微妙さ セルジュ・チェリビダッケ指揮のロンドン交響楽団
1980/05/31 独特の楽器配置 コシュラー指揮スロヴァキア・フィル
1980/06/07 心のやさしさに持ち味 マリー・シェーファーの夕べ
1980/06/11 速めのテンポで核心に迫る ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ・リサイタル
1980/06/18 動と静が対話・共鳴 一柳慧・高橋悠治デュオ・コンサート
1980/07/12 有賀の統率光る 東京室内歌劇場公演「セヴィリアの理髪師」
1980/08/09 繊細な音色の変化 吉原すみれ・打楽器の世界
1980/09/24 多才示す好選曲 入野義朗追悼演奏会
1980/10/18 あくまで明晰 矢崎彦太郎指揮東響定期公演
1980/10/22 Bイルギット・ニルソンの見事な感情表現 ウィーン国立歌劇場「エレクトラ」
1980/10/25 脱旧邦楽の姿勢明瞭 沢井忠夫 Koto Concerto
1980/11/05 バリトンの音、十分に 菊地悌子十七絃筝リサイタル
1980/11/15 大きな音楽的包容力 高橋美智子マリンバリサイタル
1980/11/29 躍動的で色彩豊かなバッハ ジグモンド・サットマリーのオルガン演奏
1980/12/12 ’80回顧 ベスト5
1980/12/24 ベテランの貫禄 室内楽’80・演奏会「八村義夫作品の夕べ」

【1981年】
1981/02/25 鮮明にアイスラー紹介 高橋悠治とその仲間のコンサート
1981/03/04 若杉、官能的な響き 京響のシェーンベルク初演
1981/03/14 合奏力の高さを発揮し迫力 N響定期、ハルトマンの「第六」
1981/04/01 純粋・硬質な表現貫く 群馬交響楽団の東京公演
1981/05/02 二五周年の気迫と充実 日本フィルシリーズ①
1981/06/03 躍動するリズム、颯爽と 「今日の音楽」アーシュラ・オッペンスのピアノ
1981/06/24 全身でリズム表すキム 「ソナタの夕べ」
1981/07/04 陶酔を誘う豊麗な音色 ダン・タイ・ソン ピアノ演奏会
1981/07/22 雅楽追求し自己の様式を確立 作曲家の個展・松平頼則
1981/08/01 朝比奈隆の名タクト 大阪フィルハーモニー交響楽団
1981/09/09 ひたむきな姿勢がさわやか 奥平八重子ピアノリサイタル
1981/10/03 変化ある流れで劇的緊迫感 都響定期演奏会のマーラー「第六番」
1981/10/31 西域風の美しい旋律が飛翔 宇田光広フルート・リサイタル
1981/12/05 水際立ったテクニック ヨーヨー・マのチェロ演奏会
1981/12/10 ’81回顧 ベスト5

【1982年】
1982/01/09 ねらい通りの端正さ 小澤征爾指揮「荘厳ミサ曲」
1982/01/23 つつましく温かい風格 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
1982/03/03 生々しく自己の理想追求 ゲオルク・フリードリッヒ・シェンクのピアノ
1982/03/10 きつい合奏を自在に エンパイヤ・ブラス・クインテット
1982/04/07 頑固に貫いた日本的な曲調 清瀬保二追悼リサイタル
1982/04/17 多様の中に程よい統一 桐五重奏団の第五回演奏会
1982/05/08 現代風、さわやかな音の流れ 日本オラトリオ連盟のバッハ「ミサ曲ロ短調」
1982/05/29 音による格闘技 満喫 ボザール・トリオ東京公演
1982/07/24 古典から新作まで 大きなスケールで ベルリン・フィル二重奏団
1982/09/08 古楽の枠超すスケール キングズ・カレッジ合唱隊
1982/09/18 情緒過剰排した熟年の厚み オイゲン・ヨッフム指揮のバンベルク響公演
1982/10/20 ゲーベルの個性 鮮明に ムジカ・アンティクヮ・ケルン演奏会
1982/11/20 年齢を超越 魂を語りかける ユーディ・メニューイン
1982/11/27 心技充実した完全な表現 ミクローシュ・ペレーニ・チェロ独奏会
1982/12/09 ラテン的情熱の音感覚 フランス国立リル管弦楽団
’82回顧 ベスト5
1982/12/22 個人技生かすアンサンブル パリ八重奏団公演

解説  小沼純一