〈Booksウト〉

バッハ・古楽・チェロ
アンナー・ビルスマは語る

3,800円 [税別]

  • A5判・上製 | 272頁+1CD
  • 発売日 : 2016年10月12日
  • ISBN 978-4-86559-148-4 C1073
  • ジャンル : クラシック/バロック音楽/演奏家
  • カバー写真:Marco Borggreve/ブックデザイン:金子裕

古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠が
初めて語る「音楽」「楽器」「人生」。
A.ビルスマ+渡邊順生による未発表ライヴCD付き!

音楽は「言葉」。
そして、演奏とは「語る」こと。

草創期の古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠と日本を代表するチェンバロ奏者による対話。
レオンハルト、ブリュッヘンらとの交友、「セルヴェ」ストラディヴァリウスをはじめとする名器・愛器、バッハ《無伴奏チェロ組曲》をめぐる音楽論・演奏論を語り尽くす!

アルテスの古楽本シリーズ「Books〈ウト〉」創刊第2弾!

未発表ライヴCD付き!
A. ビルスマ+渡邊順生「佐々木節夫メモリアルコンサート」
1999年10月15日、日本福音ルーテル東京教会

プロフィール

  • アンナー・ビルスマ(Anner Bylsma)
    世界の古楽界をリードするオランダのチェロ奏者。1934年、ハーグに生まれる。ハーグ王立音楽院卒。アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団首席チェロ奏者、ハーグ王立音楽院およびアムステルダム音楽院教授を歴任。ハーヴァード大学から博士号を授与される。グスタフ・レオンハルト、フランス・ブリュッヘンらとともに、古楽器演奏の先駆者として、数多くの歴史的名盤を世に送りだす。バロック・チェロ、モダン・チェロによるレパートリーは、幅広くバロック初期から現代音楽にまで及んでおり、世界中の音楽家・音楽ファンから高い評価と尊敬を集めている。著者に、『バッハ──フェンシングの達人(Bach, The Fencing Master)』(1998)、『バッハのセンツァ・バッソ(BACH senza BASSO)』(2012)、『バッハと特権的少数派(Bach and the Happy Few)』(2014)、『落しもの──バッハの《無伴奏チェロ組曲》の最初の3曲のためのノート(Dropping — An Exercise Book for the FirstThree Cello Suites of Johann Sebastian Bach)』(2015)等がある。

  • 渡邊順生(わたなべ・よしお)
    1950年、鎌倉市に生まれる。チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード奏者および指揮者として活躍。2010年度サントリー音楽賞受賞。一橋大学社会学部卒。アムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルトに師事。1977年、最高栄誉賞付きソリスト・ディプロマを得て卒業、またプリ・デクセランス受賞。フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、ジョン・エルウィス等、欧米の名演奏家・名歌手等と多数共演。ソニー、コジマ録音、創美企画等から多数のCDをリリース。2006年、崎川晶子との共演による『モーツァルト/フォルテピアノ・デュオ』でレコード・アカデミー賞(器楽曲部門)を受賞。著者に『チェンバロ・フォルテピアノ』(東京書籍)、校訂楽譜に『モーツァルト:幻想曲とソナタ ハ短調』、『モーツァルト:トルコ行進曲付きソナタ』(共に全音楽譜出版社)等がある。

  • 加藤拓未(かとう・たくみ)
    1970年、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル生まれ。専門はドイツ・バロック音楽史(特に受難曲の歴史)。国立音楽大学大学院修了。明治学院大学大学院博士後期課程修了(博士〔芸術学〕)。NHK-FM「バロックの森」「ベストオブクラシック」に解説者として出演。共著に『バッハ・キーワード事典』(春秋社)など。現在、明治学院歴史資料館研究調査員、合唱団「バッハ・ゲゼルシャフト東京」および「東京マルコ受難曲合唱団」代表。

CONTENTS

プロローグ(加藤拓未)

第1部 音楽活動、仲間たち、そして人生

 シモン・ゴルトベルク
 父のこと
 ハーグ王立音楽院への入学
 恩師レーヴェン・ボームカンプ
 ネーデルラント歌劇場管弦楽団
 カサルス・コンクール優勝
 スランプ
 ブリュッヘンとの出会い
 音楽家の「キャリア」について
 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 古楽へのシフト
 テレマン《パリ四重奏曲》の録音
 初期の活動──ブリュッヘンとレオンハルト
 ヴォルフ・エリクソン
 オランダ古楽界のこと
 ロンドム・カルテット
 フェラ・ベッツとの出会い
 ラインベルト・デ・レーウ
 マテイス・フェルミューレン
 ブダペストのリスト賞
 バッハの《無伴奏チェロ組曲》に取りくみ始めた頃
 ハルモニア・ムンディでの録音
 「セルヴェ」ストラディヴァリウスとの出会い
 旅する音楽家
 日本人の古楽演奏家とその聴衆
 アムステルダム音楽院
 チェロのレッスン
 弟子たち
 鈴木秀美
 ラルキブデッリ
 音楽文庫
 私の病気について
 理想の演奏会

ビルスマ・アルバム(写真コーナー)

第2部 チェロ、センツァ・バッソ

チェロについて
 所有している楽器
 ピッコロ・チェロ
 セルヴェ=ストラディヴァリウス
 バロックとモダン チェロの構造の変化について 
 ・エンドピン
 ・ガット弦
 ・スティール弦
 ・弓について
 ・ピッチの上昇
 音楽は「物語」
 重要な音、重要でない音
 「語る」音楽
 聴衆とともに演奏する
 「線の太い」音楽と「語る」音楽

バッハのセンツァ・バッソ
 バッハの無伴奏楽曲とは?
 三つの通奏低音手法
 アンナ・マクダレーナ・バッハの写本について

第3部 《無伴奏チェロ組曲》の奏法

 「ボウイングの原則」一一箇条
 バッハの「エトセトラ」と「ゼクヴェンツ」

《無伴奏チェロ組曲》第1番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)メヌエット
 6)ジーグ

◎フランス様式とイタリア様式のボウイング

《無伴奏チェロ組曲》第2番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)メヌエット
 6)ジーグ

◎運指法にかんして

《無伴奏チェロ組曲》第3番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)ブーレ
 6)ジーグ

◎六つの組曲が作曲された順番は?

《無伴奏チェロ組曲》第4番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)ブーレ
 6)ジーグ

◎ヴィオラ演奏説

《無伴奏チェロ組曲》第5番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)ガヴォット
 6)ジーグ

◎ヴァイオリンの名手バッハ

《無伴奏チェロ組曲》第6番
 1)プレリュード
 2)アルマンド
 3)クーラント
 4)サラバンド
 5)ガヴォット
 6)ジーグ

第4部 音楽について、そしてボッケリーニ

 「文化」と「芸術」の違い
 演奏家について──グレン・グールド、パブロ・カサルス
 室内楽
 ヴィヴァルディの音楽
 ベートーヴェン
 モーツァルトの協奏交響曲(未完成)の第1楽章
 ボッケリーニ
 弦楽五重奏曲の録音
 作曲家ボッケリーニについて
 「ボッケリーニのメヌエット」
 ボッケリーニの音楽と時代精神
 ボッケリーニの弱音表示
 「人を楽しませる」音楽
 ハイドン、ベートーヴェンとボッケリーニ
 ボッケリーニの「サウンド」
 シューベルトへの影響
 ボッケリーニの消滅

ビルスマの思い出と彼の芸術(渡邊順生)

 ビルスマの思い出
 ◆ビルスマの演奏
 ◆佐々木節夫メモリアル・コンサート
 ビルスマのレコード
 ◆アンナー・ビルスマ・コレクション
 ◆ヴォルフ・エリクソンとダス・アルテ・ヴェルク・シリーズ(テレフンケン)
 ◆セオンとBASF
 ◆一九八〇年代の録音
 ◆ヴィヴァルテと一九九〇年代
 ◆ベートーヴェンのチェロ・ソナタ
 ◆バッハの無伴奏チェロ組曲のDVD

付録:CD楽曲データ

●付録CD 曲目一覧

ボッケリーニ:チェロと通奏低音のためのソナタ イ長調 G.4
Ⅰ.Adagio[2’58″]
Ⅱ.Allegro moderato[5’50″]
Ⅲ.Affettuoso[4’00″]

メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 ニ長調 作品17[9’46″]

ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ 第4番 ハ長調 作品102‒1
Ⅰ.Andante – Allegro vivace[8’06″]
Ⅱ Adagio – Tempo d’Andante – Allegro vivace[7’46″]

ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ 第3番 イ長調 作品69
Ⅰ.Allegro ma non tanto[12’35″]
Ⅱ.Scherzo. Allegro molto[5’00″]
Ⅲ.Adagio cantabile – Allegro vivace[8’30″]

メンデルスゾーン:チェロとピアノのための無言歌 ニ長調 作品109[4’32″]

アンナー・ビルスマ(チェロ)
渡邊順生(フォルテピアノ)

佐々木節夫メモリアルコンサート
1999年10月15日
日本福音ルーテル東京教会

録音:コジマ録音
制作:アルテスパブリッシング