『サウンド&レコーディング・マガジン』に『古楽の終焉』の書評掲載

『サウンド&レコーディング・マガジン』2022年9月号にブルース・ヘインズ著/大竹尚之訳『古楽の終焉──HIP〈歴史的知識にもとづく演奏〉とはなにか』の書評が掲載されました。評者はミュージシャンの横川理彦さん。

[著者は]長く古楽をリードする立場にあったのでタイトルにたじろぐが、内容は〈歴史的知識にもとづく演奏〉(以下HIPと略称)の提唱で、西洋クラシック音楽の3つの演奏様式(ロマン派、モダン・スタイル、HIP)について検証していく。本書を〈(HIPに)1960年代初期からかかわってきた者の視点から述べた、個人的意見〉と言うが、実際は西洋クラシック音楽全般に対する最も性格で痛烈な論評となっている。

一流の演奏家としての豊富なキャリアがあるだけに、論議の細かな点にもしっかりとした音楽上の裏付けがあって説得力に満ちている。また、演奏例の多くはWebで試聴できるので、実際の音として聴いて確認できるのも素晴らしい。[略]音楽の基本的な書籍として幅広い層に推奨できる好著だ。

と絶賛してくださいました。