【9/28-10/26、全5回】小野幸惠さんが近松の世話浄瑠璃をレクチャー

9月28日(金)〜10月26日(金)、早稲田大学エクステンションセンターにて『和と出会う本──現代を生きる芸能・工芸・建築・祈り』の著者、小野幸惠さんが近松門左衛門の世話浄瑠璃をテーマに全5回のレクチャーをおこないます。詳細は以下のとおりです(お申込みは下記リンクから)。

近松の世話浄瑠璃を読み解く
現代人をも魅了する、美文で綴られた「事件」の文学
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/44681/

講師:小野幸惠(編集者・文筆家)

日程:9月28日、10月5日、10月12日、10月19日、10月26日(いずれも金曜日)
時間:15:00-16:30

概要:
歌舞伎や文楽では表現しきれていない物語の真髄に迫るために、近松独特の美文を平易な現代語訳で読み解きます。舞台では見ることのできない場面や浄瑠璃に触れることで、より深く物語を理解することができるはずです。そこには、近松自身の宗教観や哲学、社会の不条理など、現代人の私たちにも共感できる多くのものが描かれていて、近松作品をより身近に感じることができるはずです。「日本のシェイクスピア」「作者の氏神」と評される理由を探っていきます。
・近松のプロフィールを紐解き、近松が浄瑠璃に託した思いを探る。
・独特の美文を平易な現代語訳で読むことで、物語の本質に迫る。
・物語のモデルになった事件の背景を知ることで、当時の世相を読み解く。

9/28「近松門左衛門とは何者だったのか?」
「日本のシェイクスピア」「作者の氏神」と讃えられる近松が、その地位を確かなものにするまで苦節と成功をたどり、近松が描きたかったものを探ります。

10/05「初作の世話浄瑠璃『曽根崎心中』が生まれた時代背景」
「心中」の流行という社会現象が生まれた背景と、曲譜が失われたために長く上演されなかった「観音巡り」について、当時の大坂の地図を参考に解説します。また、歌舞伎と文楽の上演の歴史について解説します。

10/12「暴走する純愛『曽根崎心中』を読む」
原文を読みながら、美文の世界と物語の悲劇性を解説します。

10/19「元禄版・衝動殺人『女殺油地獄』を読む」
殺戮の後の「逮夜」までの上演が極めて少なく、近松の意図がなかなか理解されていないので、全編を通して原文を読みます。

10/26「『女殺油地獄』に潜在する家庭崩壊と現代性
この作品には恋愛の要素がまったくありません。また、怪奇事件でもありません。家庭崩壊がすべての元凶であるという物語の特異性と現代性を、時代背景をたどりながら解説します。

テキスト:『週刊誌記者近松門左衛門』(文春新書)