もういちど村上春樹にご用心

1,600円 [税別]

  • 四六・並製 | 272頁
  • 発売日 : 2010年11月25日
  • ISBN 978-4-903951-37-9 C0095
  • ジャンル : 文芸評論
  • 装丁:岩郷重力

「これは村上春樹さんへのファンレターです。」
『1Q84』やエルサレム・スピーチをウチダ先生はどう読んだのか?
ハルキ文学の読み方がもういちど変わる!

本書は2007年に刊行した『村上春樹にご用心』を、『1Q84』論やエルサレム・スピーチ論、柴田元幸との対談など新たなテキストを加えてアップデートした改訂新版です。

2014年12月には文春文庫に入りました。

プロフィール

  • 内田 樹 うちだ・たつる
    1950年東京生まれ。武道家(合気道7段)。思想家。神戸女学院大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。2011年11月、合気道の道場兼私塾「凱風館」を開設。『寝ながら学べる構造主義』『日本辺境論』『下流志向』をはじめ多くのベストセラーをもつ。
    近年の著書・共著には、『困難な結婚』『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)のほか、『困難な成熟』(夜間飛行)、『意地悪化する日本』(岩波書店)、『生存教室 ディストピアを生き抜くために』(集英社新書)、『街場の戦争論』(ミシマ社)、『街場の共同体論』(潮出版社)、編著に『街場の憂国会議』『日本の反知性主義』(以上晶文社)などがある。

CONTENTS

新版の読者のみなさんへ
はじめに──村上春樹の太古的な物語性について

1 初心者のための村上春樹の「ここが読みどころ」
 1 ご飯を作るシーンと掃除をするシーン
 2 トラウマとその「総括」
 3 海外生活
 4 「学生運動」について
 5 世界に構造を与える力
 6 セックス・シーン
 7 司馬遼太郎と村上春樹の「フェアネス」

2 『1Q84』とエルサレム・スピーチを読む
壁と卵──エルサレム・スピーチを読む
1Q84読書中
「父」からの離脱の方位
「子ども」に今できること──『1Q84』BOOK3評
困ったときの老師頼み

3 村上春樹の世界性
「ノーベル賞受賞祝賀予定稿」2009年ヴァージョン
村上春樹と司馬遼太郎
「父」の不在
霊的な配電盤について
『冬のソナタ』と『羊をめぐる冒険』の説話論的構造
食欲をそそる批評
激しく欠けているものについて

【特別対談】柴田元幸×内田樹『村上春樹はからだで読む』

4 翻訳家・村上春樹の翻訳を語る
  「翻訳=写経」論
  村上春樹の翻訳作法
  村上文学が世界性を獲得した理由
  奇跡のタッグ
  趣味は翻訳
すぐれた物語は身体に効く
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む
「君」とはホールデン自身である
極東のアヴァター~『羊をめぐる冒険』と『ロング・グッドバイ』

5 うなぎと倍音
うなぎくん、小説を救う
太宰治と村上春樹
倍音的エクリチュール
100パーセントの女の子とウェーバー的直感について

6 雪かきくん、世界を救う
村上春樹の「労働哲学」
村上文学における「朝ご飯」の物語論的機能
お掃除するキャッチャー
After dark till dawn
村上春樹とハードボイルド・イーヴル・ランド

[コラム]
「手持ちの資源でやりくりする」こと~『走ることについて語るときに僕の語ること』評
三〇~四〇代の女性に薦める一作『神の子どもたちはみな踊る』
『ペット・サウンズ』の思い出
アーバンとピンボールの話

旧版のあとがき
新版のあとがき