ルネサンス音楽の生きた姿を伝える演奏技法書、
450年の時を超えてついに日本語版刊行!
16世紀スペインの作曲家ディエゴ・オルティスによる変奏・装飾法の名著を、日本を代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の平尾雅子が翻訳。ルネサンス音楽を学ぶすべての声楽家・楽器奏者・研究者必読! 最新の研究成果を盛り込んだ詳細な解説付き。※オンデマンド版刊行に伴い絶版としました。
プロフィール
平尾雅子(ひらお・まさこ)
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。京都に生まれる。国立音楽大学楽理科卒業。ヴィオラ・ダ・ガンバを故大橋敏成,音楽学を高野紀子の各氏に師事。スイスのバーゼル・スコラ・カントルムにてヴィオラ・ダ・ガンバをジョルディ・サバル,室内楽をジャネット・ファン・ヴィンゲルデンの各氏に師事。演奏家ディプロマを得て同校を卒業後,オランダのデン・ハーグ王立音楽院にてヴィーラント・クイケン氏に師事。在欧中はサバル率いるアンサンブル「エスペリオンXX」のメンバーとして活躍した。
帰国後は,多数のリサイタル,室内楽コンサート,レコーディングで内外の名手と共演するいっぽう,フランス,イタリア,韓国などの国際古楽フェスティヴァルにも出演。近年では「エスペリオン XXI」の日本ツアーやヨーロッパ各地での公演にもふたたび参加している。
コジマ録音(ALM)よりCD『マラン・マレの横顔』I-V(いずれも『レコード芸術』誌特選盤。IVは第45回レコード・アカデミー賞受賞)『J.S. バッハヴィオラ・ダ・ガンバソナタ全3曲他』,マイスターミュージックより『ダニューブ河のこだま』(『レコード芸術』誌特選盤),『王のパヴァーヌ』等をリリース。
京都市立芸術大学非常勤講師。富山古楽協会セミナー講師。
ホームページ濱田滋郎(はまだ・じろう)
1935年東京生まれ、2021年3月没。音楽評論家、スペイン文化研究家。少年時代よりスペイン・中南米の文学、音楽に興味を抱いて研究、1960年ごろより翻訳、雑誌などでの執筆、レコード解説などの仕事に就く。1978年より東京藝術大学、東京外国語大学、立教大学などで非常勤講師をつとめる。主な著書に『約束の地、アンダルシア』『南の音詩人たち』(アルテスパブリッシング)、『フラメンコの歴史』『エル・フォルクローレ』(以上晶文社)、『スペイン音楽のたのしみ』(音楽之友社)、訳書にカーノ著『フラメンコ・ギターの歴史』(パセオ)、スビラ著『スペイン音楽』(白水社文庫クセジュ)など。日本フラメンコ協会会長をはじめ各音楽団体の会長、理事などを歴任したほか、1985年より「清里スペイン音楽祭」を総監督として責任開催した。1984年第3回蘆原英了賞受賞。
CONTENTS
推薦状──邦訳に寄せて(ジョルディ・サバール)
監修者のことば(濱田滋郎)
凡例
まえがき
解説
1.『変奏論』と3 種類の資料
2.『変奏論』のタイトルをめぐって
3.スペイン語版とイタリア語版の比較
4.オルティスの生涯と作品
5.『変奏論』で扱われている楽器,ヴィオラ・ダ・ガンバについて
6.ヴィオラ・ダ・ガンバの成立とイタリアでの発展
7.第1部とディミニューション
8.第2部と対旋律
9.ディミニューション技法とその様式について
10.16世紀のヴィオラ・ダ・ガンバの調弦法
11.M.プレトーリウスのヴィオラ・ダ・ガンバ属にかんする記述
12.ルネサンス時代の音高表記
13.音符の上の臨時記号について
14.レセルカーダにおけるメンスーラとテンポ
15.本書の現代譜について
16.16世紀の日本と南蛮音楽
ディエゴ・オルティス『変奏論』
第1部
第2部
文献表
あとがき
付録 パート譜