ジャズとはなにか?──この本を読めばわかります。
ジャズの歩みと本質を生き生きと描いた名著、ついに新装復刊なる!
日本最高のジャズ評論家が、誕生からスイング、ビ・バップ、クール、フリーまで、ジャズの歩みと本質を生き生きと描いた名著、ついに新装復刊なる! 村井康司氏による解説付き。
この『ジャズの歴史物語』は、刊行後40年近くを経た今もなお、ジャズを知るために読むべき本の筆頭に挙げられる古典的な名著です。現在活躍しているプロのジャズ評論家の多くもこの本を読んで育った、といっても過言ではありません。長らく絶版になっていた本書の復刊をアルテスパブリッシングで手がけることができて、たいへん光栄です。音楽を聴く喜び・知る楽しみとはどういうことなのか、この本をじっくり読んで味わってください。
プロフィール
油井正一(ゆい・しょういち)
1918(大正7)年、神奈川県横浜市に生まれる。慶應義塾大学法学部在学中からジャズ評論を手がけるようになったが、陸軍への入営により中断。終戦により復員後、ジャズ評論家としての道を歩む。当初は雑誌『ミュージック・ライフ』、のち『スイングジャーナル』を拠点に旺盛な評論活動を展開。ラジオ関西、NHK、FM東海(東京)などの音楽番組でジャズ解説も担当する。東京芸術大学、桐朋学園大学、東海大学などで講師もつとめた。1996(平成8)年勲四等瑞宝章を受章。1998(平成10)年、逝去。主な著書に『生きているジャズ史』(シンコーミュージック)、『ジャズ/ベスト・コレクション』(新潮文庫)、『ジャズ名盤物語』(共同通信社)など、訳書にベーレント『ジャズ その歴史と鑑賞』(誠文堂新光社)、『奇妙な果実 ビリー・ホリデイ自伝』(晶文社、共訳)などがある。村井康司(むらい・こうじ)
1958年函館生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。中学1年でロックを、高校1年でジャズを聴き始め、大学時代はジャズ・ビッグバンドでギターと編曲を担当。編集者として働く傍ら1987年よりジャズ・ライターとして執筆を始め、『ジャズジャパン』『ジャズ批評』『CDジャーナル』などの音楽誌に寄稿。CDのライナーノーツも多く手がける。著書に『あなたの聴き方を変えるジャズ史』(シンコーミュージック、2017)、『現代ジャズのレッスン 1959年から考える』『JAZZ 100の扉』(以上アルテスパブリッシング、2013)、『ジャズ喫茶に花束を』(河出書房新社、2003)、共著に『100年のジャズを聴く』(シンコーミュージック、2017)ほかがある。尚美学園大学音楽表現学科講師。
CONTENTS
第1章 前期
1 ジャズはニューオリンズではじまった
2 ニューオリンズからシカゴへ
3 ハーレム
4 カンサス・シティ
前期の巨人たち
キング・オリヴァー
ルイ・アームストロング
ビックス・バイダーベック
フレッチャー・ヘンダーソン
第2章 中期
1 スイング時代
2 ジャズ・ジャーナリズムの抬頭
3 音楽戦争
4 大いなる過渡期
5 バップへの前奏曲
6 ビ・バップ
中期の巨人たち
レスター・ヤング
デューク・エリントン
ディジー・ガレスピー
チャーリー・パーカー
ウディ・ハーマン
バド・パウエル/ファッツ・ナヴァロ/クリフォード・ブラウン
第3章 後期
1 クールの誕生
2 レニー・トリスターノ
3 スタン・ケントンとボイド・レーバン
4 ウエスト・コースト・ジャズ
5 マイルス・デヴィスを通してみる一九五〇~六〇年代のジャズ
6 フリー・ジャズとポスト・フリー・ジャズ
後期の巨人たち
チャーリー・ミンガス
ソニー・ロリンズ
セロニアス・モンク
セシル・テイラー
オーネット・コールマン
エリック・ドルフィー
ジョン・コルトレーン
第4章 余滴
1 ジャズ録音史
2 Vディスク
3 ジャズ・ファン
4 黒人と宗教
5 黒人問題
6 黒人のある考え方
7 ジャズ・ダンス
8 ジャズとラテン音楽
9 民族音楽としてのジャズ
あとがき
解説──「『ジャズ共和国』という国土なき国の誇り」 村井康司
参考文献
注解
索引