第21回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門著作出版物賞)受賞!
「私が音楽について語ろうとするのは、困難よりも不可能に惹きつけられてきたからだ」
──ダニエル・バレンボイム
パレスティナ自治区での奇跡のコンサートを実現させたマエストロが、サイードとの共著『音楽と社会』ののちに到達した思想がここに結実。不条理に満ちた時代に音楽による希望を力強く謳いあげる。日本版オリジナルの序文付き。
(解説・年譜:岡本 稔)
第21回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門著作出版物賞)を受賞!
プロフィール
ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)
1942年ブエノスアイレス生まれ。7歳のとき同地で最初の演奏会をおこなう。1952年、家族とともにイスラエルに移住。同年、ピアニストとしてウィーンとローマで、1955年にパリ、56年にロンドン、57年にはニューヨークでレオポルド・ストコフスキーの指揮によりデビューする。以後、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、南アメリカ、オーストラリア、極東において定期的に演奏旅行をおこなう。
1975年から89年にかけてパリ管弦楽団の音楽監督、91年から2006年6月までシカゴ交響楽団の音楽監督をつとめる。1992年からベルリン国立歌劇場の音楽総監督をつとめ、92年から2002年8月まで芸術監督も兼任。2000年秋には、ベルリン国立歌劇場管弦楽団から終身主席指揮者に任命される。1999年、故エドワード・サイードとともに、イスラエルおよびアラブ諸国の若い音楽家たちをメンバーとするウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラを設立。
これまでに2冊の著書、『音楽に生きる』(1991/2003)、サイードとの共著『音楽と社会』(2004)を出版。2007年には、日本において高松宮殿下記念世界文化賞を授与され、また、バン・ギ・ムン国連事務総長から国連平和大使に任命された。
Daniel Barenboim Official Website:www.danielbarenboim.com蓑田洋子(みのだ・ようこ)
大阪外国語大学イタリア語科修士課程修了。訳書に『大作曲家の世界』3、4、6巻、『精神保健および教育分野における音楽療法』(以上共訳、音楽之友社)、『運命の女神』(共訳、三省堂)、『キース・ジャレット』『スタンダードの名シンガー』『ダニエル・バレンボイム自伝──音楽に生きる』(以上、音楽之友社)など。
CONTENTS
日本版への序文
第1部 対話と共存のフーガ
プレリュード
音と思考
聴くことと聞くこと
思考と演奏および解釈の自由
オーケストラ
2人のパレスティナ人
フィナーレ
第2部 変奏曲
「私はバッハで育った」
モーツァルト
フルトヴェングラー
ブーレーズ
エドワード・サイードの思い出
I Have a Dream
ヴォルフ賞授賞式のスピーチ
訳者あとがき
解説(岡本 稔)
バレンボイム年譜(作成:岡本 稔)