ワーグナーシュンポシオン 2021
特集 ワーグナーと古代ギリシア

定価:本体2900円[税別]送料:国内無料

  • A5判・並製 | 168頁
  • 発売日 : 2021年7月22日
  • ISBN 978-4-86559-239-9 C1073
  • ジャンル : クラシック/作曲家/オペラ
  • 装丁:中野達彦+ティーアールエム

日本のワーグナー研究の最新動向を伝える年刊誌。
特集ではワーグナーを理解するうえで不可欠な要素、古代ギリシアとの関係を論ずる。
観世清和氏の「ワーグナーと能楽」ほかエッセイも充実!

『ワーグナーシュンポシオン』は、わが国におけるワーグナー研究の成果やワーグナー芸術にかんする多様な情報を発信する年刊誌。
「シュンポシオン」とは、古代ギリシャで酒を酌み交わしながら行われていた議論のことで、プラトンの対話篇『饗宴』の原題でもあります。
本誌を、ワーグナーについて真摯かつ自由闊達に語り合う場にしたいとの願いが、この誌名にこめられています。

本号では、まず巻頭インタビューとして、ピアノ伴奏による独自のワーグナー公演を重ねてきた「わ」の会代表で指揮者の城谷正博氏とピアニストの木下志寿子氏へのインタビューを掲載。
特集は「ワーグナーと古代ギリシア」と題し、丸橋裕氏、安川智子氏、フォルカー・メルテンス氏の論文を掲載。ワーグナーが少年時代から傾倒し、作品のモティーフや作劇の理念と技法などにおいて影響を色濃く受けた古代ギリシアとの関係を明らかに。
たかの舞俐氏の寄稿は《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を作曲家の視点から分析する意欲的な論文。
エッセイは、観世清和氏(能楽)、村上湛氏(古典演劇評論)、佐野隆氏(音楽学)、杉谷恭一氏(ドイツ文学)がヴァラエティ豊かで充実した4編を寄稿。
「海外・国内ワーグナー上演2020」は、コロナ禍のなか中止または延期された公演も含むかたちでの掲載。その他、国内外の文献紹介ほか最新情報も満載しています。

プロフィール

  • 日本ワーグナー協会
    1980年4月11日に産声をあげた日本ワーグナー協会は、19世紀ヨーロッパの精神文化を代表するリヒャルト・ワーグナーの芸術を探求し、広く紹介すること、それによって日本の芸術文化に貢献することを目的としています。東京で開催される月例会、関西・名古屋等の定例会を活動の中心に、テーマ別に専門家を講師に招き、講演会、レクチャーコンサート、DVD鑑賞会、パネルディスカッションなどを開催し、ワーグナーの芸術を正しく紹介するよう努めています。また、来日中の外国の著名な演奏家、演出家、研究者らを招いた公開インタビューや、彼らを囲むパーティー等さまざまなプログラムも企画しています。出版活動では、多彩な執筆陣による年1回の総合研究誌『ワーグナーシュンポシオン』刊行のほか、年4回協会機関紙『リング』を発行。さらに研究成果の集大成ともいえるワーグナー作品の音楽註・訳註つき対訳本は、23年の歳月をかけ、2013年全作品の対訳が完結いたしました。また、バイロイト祝祭劇場をはじめとする欧米音楽界と密接な情報交換や人的交流を行うなど、民間レベルでの文化交流の架け橋として国際親善にも少なからず寄与しています。
    日本ワーグナー協会 公式ホームページ

CONTENTS

■巻頭インタビュー ワーグナー今年の顔
「わ」の会──城谷正博氏・木下志寿子氏(聞き手:鈴木伸行)

 まえがき(杉谷恭一)

■特集 ワーグナーと古代ギリシア
失われた原像の探究 再論──劇作家としてのワーグナーとアイスキュロス(丸橋裕)
フランスにおけるワーグナー受容と古代ギリシア悲劇再創造への道──新たなる音楽劇を求めて(安川智子)
[連載『ワーグナースペクトラム』誌掲載論文]
衝撃−肯定−アリバイ 戦後期におけるギリシア悲劇上演──その前提とヴィーラント・ワーグナーの新バイロイト様式との照応(フォルカー・メルテンス/杉谷恭一訳)

■寄稿
《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の再発見──作曲家の視点による一考察(たかの舞俐)

■エッセイ
ワーグナーと能楽(観世清和)
私のワーグナー──ニルソンから藤村実穂子へ(村上湛)
中世・ルネサンス音楽とワーグナー(佐野隆)
ワーグナー−デカダンス−ニーチェ──チューリヒ時代の一断片をめぐって(杉谷恭一)

■書評
国内ワーグナー文献2020(江口直光)
海外ワーグナー文献2020(フランク・ピオンテク/松原良輔訳)

 執筆者紹介

■海外・国内ワーグナー上演2020(曽雌裕一)

 日本ワーグナー協会2020年度活動記録