ワーグナーシュンポシオン 2020
特集 ワーグナーとユダヤ

定価:本体2900円[税別]送料:国内無料

  • A5判・並製 | 168頁
  • 発売日 : 2020年7月27日
  • ISBN 978-4-86559-224-5 C1073
  • ジャンル : クラシック/作曲家/オペラ
  • 装丁:中野達彦+ティーアールエム

日本のワーグナー研究の最新動向を伝える年刊誌。
巻頭インタビューはドイツのテノール歌手ペーター・ザイフェルト。
特集ではワーグナーとユダヤの関係を多面的に論ずる。

『ワーグナーシュンポシオン』は、わが国におけるワーグナー研究の成果やワーグナー芸術にかんする多様な情報を発信する年刊誌。
「シュンポシオン」とは、古代ギリシャで酒を酌み交わしながら行われていた議論のことで、プラトンの対話篇『饗宴』の原題でもあります。
本誌を、ワーグナーについて真摯かつ自由闊達に語り合う場にしたいとの願いが、この誌名にこめられています。

本号では、まず巻頭インタビューにドイツのテノール歌手ペーター・ザイフェルト氏が登場。
オペラやワーグナーの音楽との出会い、タンホイザー、トリスタンなどの役の魅力やむずかしさ、自身のキャリアや共演した音楽家たちについてフランクに語ります。
特集は「ワーグナーとユダヤ」と題し、ワーグナー自身が執筆した問題論文「音楽におけるユダヤ」の抄訳と解題を掲載するほか、ユダヤ人作曲家メンデルスゾーンおよびシェーンベルクとワーグナーの関係、なぜ多くのユダヤ人がワグネリアンとなりうるのかという問題を論じます。
エッセイは前号に続き、オペラ演出家・菅尾友氏が寄稿。
その他バイロイト音楽祭や国内の上演報告、内外の文献紹介ほか最新情報も満載しています。

プロフィール

  • 日本ワーグナー協会
    1980年4月11日に産声をあげた日本ワーグナー協会は、19世紀ヨーロッパの精神文化を代表するリヒャルト・ワーグナーの芸術を探求し、広く紹介すること、それによって日本の芸術文化に貢献することを目的としています。東京で開催される月例会、関西・名古屋等の定例会を活動の中心に、テーマ別に専門家を講師に招き、講演会、レクチャーコンサート、DVD鑑賞会、パネルディスカッションなどを開催し、ワーグナーの芸術を正しく紹介するよう努めています。また、来日中の外国の著名な演奏家、演出家、研究者らを招いた公開インタビューや、彼らを囲むパーティー等さまざまなプログラムも企画しています。出版活動では、多彩な執筆陣による年1回の総合研究誌『ワーグナーシュンポシオン』刊行のほか、年4回協会機関紙『リング』を発行。さらに研究成果の集大成ともいえるワーグナー作品の音楽註・訳註つき対訳本は、23年の歳月をかけ、2013年全作品の対訳が完結いたしました。また、バイロイト祝祭劇場をはじめとする欧米音楽界と密接な情報交換や人的交流を行うなど、民間レベルでの文化交流の架け橋として国際親善にも少なからず寄与しています。
    日本ワーグナー協会 公式ホームページ

CONTENTS

■巻頭インタビュー ワーグナー今年の顔
ペーター・ザイフェルト氏(聞き手:鈴木伸行)

 まえがき(杉谷恭一)

■特集 ワーグナーとユダヤ
音楽におけるユダヤ Das Judentum in der Musik ──抄訳と解題(池上純一)
さまよえる《パウロ》──オラトリオ作曲家メンデルスゾーンの長い影(星野宏美)
シェーンベルクの「オペラ」と「ドラマ」──《今日から明日へ》と『聖書の道』からみるワーグナーへの両義的態度(白井史人)
[連載『ワーグナースペクトラム』誌掲載論文]
『メンデレ・ローエングリン』と清浄(コシェル)なワーグナー──ユダヤ人のワーグナー受容に関する非正統的な見解(ダニエル・ユッテ/杉谷恭一訳)

■エッセイ
ヴュルツブルク歌劇場《神々の黄昏》演出の現場より(実践編)(菅尾友)

■上演報告
バイロイト音楽祭報告2019──新演出《タンホイザー》を中心に(広瀬大介)
国内ワーグナー上演2019(吉田真)

■書評
国内ワーグナー文献2019(江口直光)
海外ワーグナー文献2019(フランク・ピオンテク/松原良輔訳)

 執筆者紹介

■海外ワーグナー上演2019(曽雌裕一)

 日本ワーグナー協会2019年度活動記録