追悼 ミシェル・ルグラン(1932 – 2019)

去る1月26日の晩、ツイッターを覗いたらとたん、ミシェル・ルグランが亡くなったというニュースが目に飛び込んできました。享年86。

彼の初めての自伝をアルテスから刊行したのが2015年の7月。『シェルブールの雨傘』をはじめとする数々のミュージカル映画や、マイルス・デイヴィスとの共演、スティーヴ・マックイーンとの逸話などなどが自身の筆で活写されていて、映画ファンならずとも胸躍る回想録です。細野晴臣さんが朝日新聞紙で書評してくださり、ピアニストの谷川賢作さんは「ぼくのバイブル」とまで言ってくださるなど、良き読者に恵まれました。

昨年夏には病身を押して来日、ブルーノート東京でのトリオ公演で元気な姿を見せてくれていたのですが、自伝の監修者・濱田髙志さんによると、12月初頭パリでのソロ・ライヴを最後に療養生活に入っていたそうです。ブルーノートでご挨拶して、サイン本をいただけたことが良い思い出となってしまいました。心からご冥福をお祈りします。[鈴木茂]