光嶋裕介『みんなの家。建築家一年生の初仕事』がちくま文庫に入りました

みんなの家。建築家一年生の初仕事

2012年7月にアルテスから刊行した光嶋裕介著『みんなの家。建築家一年生の初仕事』が増補されてちくま文庫に入りました(3月9日発売)。

内田樹さんが自邸兼道場の設計を、まだ日本での実績のない若い建築家に任せることにしたと知って俄然興味を持ち、その建築家を紹介していただいたのは2010年の8月。目黒の事務所で初めて会った光嶋さんは、人の目をまっすぐに見て話す気持ちの良い青年でした。いま思えば、設計だけでなく長い原稿の執筆についても未知数だった彼によくぞ書き下ろしをもちかけたものですが、「ほぼ日」の力添えを得て二人三脚で進めた編集作業はじつに楽しいものでした。そうやってゼロから立ち上げた企画がこうして生まれ変わってくれて嬉しいかぎりです。

文庫化にあたっては、各章ごとに書き下ろされた26本の「今になって思うこと」、文庫版あとがき、「特別展ガウディ×井上雄彦カタログエッセイ」、そして哲学者鷲田清一さんの解説と、新たに追加されたテキストがてんこ盛り。もちろん漫画家井上雄彦さんをお迎えしての内田×井上×光嶋鼎談もそのまま収録されています。鷲田清一さんの解説にある「原っぱのような建築」という言葉が素敵ですね。建築家・青木淳さんの言葉だそうです。

単行本の在庫もまだありますし、これを機にぜひご一読下さい。