『レコード芸術』に『ラドゥ・ルプーは語らない。』の書評掲載

『レコード芸術』2022年5月号に板垣千佳子編『ラドゥ・ルプーは語らない。──沈黙のピアニストをたどる20の素描』の書評が掲載されました。書いてくださったのは音楽ライターの高坂はる香さん。

取材を断り続け、自身のことを語らないルプーの芸術を後世に文章で残したいという想いから、本人の承諾を得て編まれた。[編者の]マネージャー時代の信頼関係により実現した本といえる。

 舞台に立つことへの恐怖、自己批判からくる苛立ちやストレスは多大だというのに、音楽への愛や奏でる幸福が彼の中でそれを凌駕する量だったことに、一ファンとしては感謝せずにいられない。ルプーの魅力と共に、その喜びを改めて実感させてくれる。

このように深い共感をもって評してくださっています。4月17日の訃報を予想もせずに書かれた文章ですが、はからずもこのタイミングで、こんなに素晴らしい書評が公になったことに、天のはからいを感じずにはいられません。

なお、その横には濱田滋郎著『南の音詩人たち──アルベニス、セヴラック、モンポウの音楽』の短評も。こちらもレコ芸と縁の深かった著者への短いながらも心のこもった追悼となっています。