わが道をまっすぐに行くブロムシュテットの根幹を見るよう──『レコード芸術』に『ヘルベルト・ブロムシュテット自伝』の書評掲載

『レコード芸術』2月号に『ヘルベルト・ブロムシュテット自伝』の書評が掲載されました。評者は音楽評論家の舩木篤也さん。

[…]年代記の体裁はとっておらず、さまざまな機会に、様々な場所でなされた発言を、ゆるりと並べた形である。[略]
 それでもそれが欠点となっていないのは、一つには、各回ともにおおよそのテーマ(たとえば作品分析の仕方について)が設けられているからだろう。そしていま一つは、読者があたかもインタビュー現場に立ち会っているかのような、生き生きとした感覚を抱けるから。それには、生硬に陥らない訳文が大いに与っている。

人間的にも音楽的にも決して声を荒らげず、わが道をまっすぐに行くブロムシュテットの、根幹を見るようではないか。

[…]ブロムシュテットの極めて率直な語り口は、よくある暴露本の類より百倍信頼がおけると感じさせる。指揮台の現場ですべきことも縷々述べている。指揮者の卵たちにもお薦めの一冊である。

と、たいへん高く評価してくださいました。

なお、同じページで山本訓久著『ブルクミュラーで指揮法入門』も紹介されていました。「指導者、演奏者はもちろん、交響曲などのオーケストラファンにも手に取ってほしい1冊だ」と評していただいています。