12月下旬発売! 聴く人(homo audiens)──音楽の解釈をめぐって(近藤 譲 著)

聴く人(homo audiens)

作曲とは、
「聴くこと」であり、
「聴くこと」を通して、
自己を外へ、
他者へと開く行為なのだ。

──本文より
ベートーヴェン《第9》からケージ《4分33秒》へ──
〈聴くこと〉のもつ創造性をしなやかな感性でとらえた画期的音楽論!
四六判・上製(仮フランス装)・180頁
定価:本体2000円[税別]
発売:2013年12月下旬
ISBN978-4-903951-76-8 C1073
装丁:寺井恵司
ジャンル:クラシック/現代音楽/評論
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●内容
「作曲者は、音を吐くのではなく、耳を世界にそばだてて、適切な音を探す。
作曲をするためには、人は、まず、聴く人(ホモ・アウディエンス)でなければならない」(本文より)
音楽はほんらい聴き手に多様な解釈をゆるすものであり、ひとは「耳をすます」ことによって創造者となる──
「聴くこと」のもつ創造性を高らかに謳い上げる、音楽への希望に満ちた一冊。
2012年、アメリカ芸術・文学アカデミーの終身名誉会員(日本人音楽家としては武満徹に次いで2人目)に選出され、名実ともに日本を代表する作曲家となった著者の最新音楽論。
●目次
I.解釈二題
 1.《第九》と記憶
 2.《四分三三秒》──自然、あるいは、廃墟
 3.解題
II.聴く人(homo audiens)──作曲行為における他者性について
III.目的性のない行為としての音楽
 1.音楽とは何か?
 2.作曲と目的性
IV.解釈の自由
V.(コーダ)
●著者プロフィール
こんどう・じょう
1947年東京生まれ。東京藝術大学で作曲を学び、在学中からその作品が注目を浴びた。1970年代初頭に、自ら「線の音楽」と名づけた独特の作曲方法論を提唱し、以後国際的に活躍。欧米の多くの主要機関や音楽祭から委嘱を受け、特集演奏会が組まれている。ほぼ全作品の楽譜がイギリスのUYMPから出版され、CD録音も多い。2012年、アメリカ芸術・文学アカデミーの外国人名誉会員に選ばれた。国内外多くの大学で教鞭をとり、講演をおこなっている。お茶の水女子大学名誉教授。
主な著書に『線の音楽』(朝日出版社)、『耳の思考』(青土社)、『〈音楽〉という謎』『音を投げる』(以上春秋社)など。
●関連情報(書評/イヴェントほか)
聴く人(homo audiens)