【3月20日発売!】モーツァルト家のキャリア教育──18世紀の教育パパ、天才音楽家を育てる(久保田慶一 著)

モーツァルト家のキャリア教育

モーツァルトは人生に成功したのか、失敗したのか?
現代のキャリア心理学の視点からモーツァルト父子の往復書簡を分析。
時代の荒波のなか、懸命に自己実現をめざしたふたりの姿から、
音楽家にとっての成功とは何かが見えてくる!
子供を芸術家に育てたい親、必読!
A5判・並製・256頁
定価:本体2200円[税別]
発売:2014年3月20日(予定)
ISBN978-4-903951-81-2 C1073
装丁:吉林 優
カバー装画:江口修平
ジャンル:クラシック/作曲家
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●内容
ヨーロッパに近代化の風が吹き荒れる18世紀。
音楽家レオポルト・モーツァルトはみずからの社会的成功をもとめ、もちまえの合理的精神により人生を切りひらいてゆく。
そんななか誕生した息子ヴォルフガング。
息子の天才を確信したレオポルトは、栄達の夢を息子に託し、息子のキャリア形成を自らの手で推し進めることを決意する──。
父親の絶対的庇護のもと、息子ヴォルフガングが受けたキャリア教育とは?
父子の決裂はなぜ、どのようにして起こったのか?
天才を弟にもった姉ナンネルは女性として幸せな生涯を送ることができたのか?
現代のキャリア心理学の視点から18世紀の芸術家親子の往復書簡を解読。
従来のモーツァルト研究に一石を投じる画期的な研究であるとともに、
現代に生きる芸術家とその家族にとっても参考になるヒントが満載!
●目次
はじめに
I 引き裂かれたキャリア──若き日のレオポルト
 第1章 アウクスブルクのモーツァルト家──レオポルトの誕生
 第2章 アウクスブルク時代──家族との確執
 第3章 ザルツブルク時代──新天地を求めて
II したたかな処世術──経験に学ぶレオポルト
 第1章 社 会──行動する戦略家
 第2章 家 族──矛盾にさいなまれる家父
 第3章 旅──自己陶冶をうながす啓蒙主義者
 第4章 死──不安におびえる父
 第5章 人──慎重な懐疑主義者
 第6章 モーツァルト家の世渡り術
III 息子の就職問題──挫折するレオポルト
 第1章 就職活動の旅へ──ともに戦う父子
 第2章 マンハイムでの就職活動──軋轢のはじまり
 第3章 パリでの就職活動──悪化する父子関係
 第4章 ザルツブルク宮廷の辞職──訣別する父子
 第5章 モーツァルト父子の就職活動
IV 息子の結婚問題 破綻におびえるレオポルト
 第1章 アロイージア・ウェーバーとの恋愛──ほころびはじめる父子関係
 第2章 結 婚──父親からの完全独立
 第3章 哲人レオポルト
V 姉ナンネル レオポルトとヴォルフガングのはざまで
 第1章 結婚するまでのナンネル──父と弟の仲介者
 第2章 結婚と晩年──父と弟と夫に捧げた人生
 第3章 モーツァルト家のキャリア教育
おわりに
付録1 L.モーツァルト『ヴァイオリン奏法』──序文(1756)
付録2 L.モーツァルト『ホーエンザルツブルク城の小史の試み』(1759)
L.モーツァルト 関連年表
参考文献
●著者プロフィール
くぼた・けいいち
1981年東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。ドイツ学術研究会の奨学生として、ドイツ連邦共和国のフライブルク大学、ハンブルク大学、ベルリン自由大学に留学。音楽学博士(東京藝術大学)、カウンセリング修士(筑波大学)、経営学修士(首都大学東京)。現在、国立音楽大学教授。専攻は西洋音楽史。その他音楽大学生のキャリア発達ならびに生涯音楽学習に関心をもつ。
著書に『音楽用語ものしり事典』(アルテスパブリッシング)、『西洋音楽史エピソード100』『音楽再発見エピソード100』(以上、教育芸術社)、『音楽の文章セミナー』『C.P.E.バッハ研究』(以上、音楽之友社)、『孤高のピアニスト 梶原完』(ハンナ)、『音楽とキャリア』(スタイルノート)、『エマヌエル・バッハ』(東京書籍)、編著に『キーワード150 音楽通論』(アルテスパブリッシング)、『バッハキーワード事典』(春秋社)、訳書に『モーツァルト殺人法廷』(春秋社)、『楽譜を読むチカラ』(音楽之友社)ほかがある。
●関連情報(書評/イヴェントほか)
モーツァルト家のキャリア教育