名局と名曲のあいだ
将棋と音楽の芸術性をめぐって

定価:本体2000円[税別]送料:国内無料

  • 四六判・並製 | 232頁
  • 発売日 : 2026年3月25日予定
  • ISBN 978-4-86559-327-3 C0076
  • ジャンル : 将棋/クラシック音楽
  • ブックデザイン:三崎 了

振り飛車の美学を標榜する棋士・佐藤天彦と、
音楽界きっての将棋通・広瀬大介が
AI全盛の現代に将棋と音楽の美を語る!

シンギュラリティを超えて、
棋譜と楽譜に美を刻む──

AI時代を体現する若手棋士の台頭により、あらためて注目を集める将棋界。

そんななか、音楽をはじめ諸芸術への深い造詣を自身の将棋観と融合させ、新時代の将棋を創造しようとしている棋士・佐藤天彦九段が、音楽界きっての将棋通として知られる音楽評論家・広瀬大介と、将棋と音楽の芸術性と美について語りつくす!

エンタメとして、芸術としての将棋の可能性はどこにあるのか。
新しいファン層を前に、将棋批評はどうアプローチすればいいのか。
「美しい棋譜」を後世に残すことの意味とは。
モーツァルトの残した〝究極のスコア〟に佐藤天彦は何を観るのか──

正しさと均一性が求められる
この時代にこそ、
将棋も音楽も人間讃歌たれ。
美学の時代は来る!
──藤井 猛(将棋棋士/九段)

振り飛車で美しい旋律を奏で、
居飛車ではバッハのような
ポリフォニーを操る──
「将棋界のモーツァルト」
佐藤天彦九段からほとばしる
音楽と将棋への愛!
──鈴木優人(指揮者・チェンバロ奏者)

将棋愛と音楽愛にあふれる異色対談!

◉カバー・本文写真
アートディレクション:三崎 了
写真:研壁秀俊
ヘアメイク:金子亜莉花
2025年7月1日、studio Lulu狛江にて撮影

◉ためし読みはこちら
https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784865593273

プロフィール

  • 佐藤天彦(さとう・あまひこ)
    将棋棋士、九段。福岡県福岡市出身。中田功八段門下。2006年、四段昇段。2016年、名人戦で羽生善治名人からタイトル奪取。以来、竜王戦1組在位は通算9期、順位戦A級在位は連続11期、タイトル戦登場6回、獲得3期(名人3期)を数える。長年居飛車党だったが、最近は振り飛車を積極的に採用し、新境地を拓く。その工夫のひとつが評価され、新構想を披露した棋士に贈られる升田幸三賞を2024年度に受賞した。ファッションやインテリアをはじめとし、芸術全般、とりわけクラシック音楽に造詣が深く、モーツァルトとその作品を深く愛している。著書に『天彦流中盤戦術──「局面の推移」と「形勢」で読みとく(NHK将棋シリーズ)』(NHK出版、2017)など。宇宙戦艦ヤマトシリーズのファン。

  • 広瀬大介(ひろせ・だいすけ)
    音楽学者、音楽評論家。1973年生まれ。青山学院大学教授。日本リヒャルト・シュトラウス協会常務理事・事務局長。著書に『リヒャルト・シュトラウス 自画像としてのオペラ』『オペラ対訳×分析ハンドブック シュトラウス/楽劇 サロメ』『同/楽劇 エレクトラ』『同/楽劇 ばらの騎士』(以上アルテスパブリッシング)、『帝国のオペラ』(河出書房新社)、『もっときわめる! 1曲1冊シリーズ3 ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》』『世界史×音楽史 知っておきたい! 近代ヨーロッパ史とクラシック音楽』(以上音楽之友社)など。『レコード芸術ONLINE』など各種音楽媒体での評論活動のほか、NHKラジオへの出演、演奏会曲目解説・CDライナーノーツの執筆、オペラ公演・映像の字幕・対訳などを多数手がける。

CONTENTS

〝AIマッチョイズム〟を超え、芸術としての将棋へ──まえがきにかえて(佐藤天彦)

第Ⅰ章 AIと将棋界の未来

この対談のテーマについて
将棋界の現在地とAIがひらく未来
藤井聡太の登場
AIとエンタテインメントとしての将棋
大スター以外の人材を活かすには
将棋批評が成熟するには
批評がつくりだす「ストーリー」
コンピューターに負ける役まわりは自分が引き受けるべきだと思った
将棋には完全解答はあるのか

第Ⅱ章 振り飛車とAIの戦略評価

振り飛車とは
美学派の師匠・中田功
振り飛車はモノフォニー、居飛車はポリフォニー?
ソナタ形式と弁証法
ポストAI時代の世界観を創造する

第Ⅲ章 名人戦とモーツァルト

佐藤天彦の選ぶ「名局」
広瀬大介の選ぶ「名曲」

第Ⅳ章 将棋の美学と芸術性

ライヴとしての将棋の美しさとは
人間的な余白を感じさせる娯楽芸術として
対局はアンサンブル
「時が止まる」ような対局をめざして
感想戦はピロートーク?
将棋を言語化することについて
将棋を再現芸術として楽しむには
升田幸三賞の贈賞対象──「☗6六角型向かい飛車」について

あとがき(広瀬大介)