ワーグナーシュンポシオン 2022
特集 ワーグナー 研究から実践へ

定価:本体2900円[税別]送料:国内無料

  • A5判・並製 | 196頁
  • 発売日 : 2022年7月25日
  • ISBN 978-4-86559-261-0 C1073
  • ジャンル : クラシック/作曲家/オペラ
  • 装丁:中野達彦+ティーアールエム

日本のワーグナー研究の最新動向を伝える年刊誌。
巻頭鼎談は大野和士、ハイコ・ヘンチェル、舩木篤也が登場。
特集ではワーグナー研究と後代の受容・創作・実践との関係をさぐる。

『ワーグナーシュンポシオン』は、わが国におけるワーグナー研究の成果やワーグナー芸術にかんする多様な情報を発信する年刊誌。
「シュンポシオン」とは、古代ギリシャで酒を酌み交わしながら行われていた議論のことで、プラトンの対話篇『饗宴』の原題でもあります。
本誌を、ワーグナーについて真摯かつ自由闊達に語り合う場にしたいとの願いが、この誌名にこめられています。

本号では、まず巻頭鼎談として、コロナ禍のなか2021年11月に実現した新国立劇場の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》上演について、指揮者・大野和士氏、演出家ハイコ・ヘンチェル氏と音楽評論家・舩木篤也氏が語りあいます。
特集は「ワーグナー 研究から実践へ」と題し、ワーグナー研究がいかに後代の受容・創作・実践に影響をおよぼしているかを、夏田昌和氏、松原良輔氏、岡田安樹浩氏の寄稿と独『ワーグナースペクトラム』誌に掲載されたJ.M.フィッシャー氏の論文(杉谷恭一訳)により考察します。
エッセイは、青柳いずみこ氏、三澤洋史氏、松平あかね氏がヴァラエティ豊かな3編を寄稿。
その他、国内上演報告、バイロイト上演報告、国内外の文献情報など盛りだくさんの内容となっています。

プロフィール

  • 日本ワーグナー協会
    1980年4月11日に産声をあげた日本ワーグナー協会は、19世紀ヨーロッパの精神文化を代表するリヒャルト・ワーグナーの芸術を探求し、広く紹介すること、それによって日本の芸術文化に貢献することを目的としています。東京で開催される月例会、関西・名古屋等の定例会を活動の中心に、テーマ別に専門家を講師に招き、講演会、レクチャーコンサート、DVD鑑賞会、パネルディスカッションなどを開催し、ワーグナーの芸術を正しく紹介するよう努めています。また、来日中の外国の著名な演奏家、演出家、研究者らを招いた公開インタビューや、彼らを囲むパーティー等さまざまなプログラムも企画しています。出版活動では、多彩な執筆陣による年1回の総合研究誌『ワーグナーシュンポシオン』刊行のほか、年4回協会機関紙『リング』を発行。さらに研究成果の集大成ともいえるワーグナー作品の音楽註・訳註つき対訳本は、23年の歳月をかけ、2013年全作品の対訳が完結いたしました。また、バイロイト祝祭劇場をはじめとする欧米音楽界と密接な情報交換や人的交流を行うなど、民間レベルでの文化交流の架け橋として国際親善にも少なからず寄与しています。
    日本ワーグナー協会 公式ホームページ

CONTENTS

■巻頭 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》特別鼎談
大野和士(指揮者)/ハイコ・ヘンチェル(演出家)/舩木篤也(音楽評論家)(通訳:蔵原順子)

 まえがき(杉谷恭一)

■特集 ワーグナー 研究から実践へ
R.ワーグナーの音楽と現代の音楽創造───《ラインの黄金》序奏と自作《重力波》第2セクションの分析・比較をもとに(夏田昌和)
『トーニオ・クレーガー』に見るトーマス・マンのワーグナー受容(松原良輔)
《神々の黄昏》初演稿復元の試み(岡田安樹浩)
[連載『ワーグナースペクトラム』誌掲載論文]
「きょう歌った鳥には、好ましいくちばしが生えている」───1930年以降のバイロイトにおけるワーグナー歌唱の諸相(イェンス・マルテ・フィッシャー/杉谷恭一訳)

■エッセイ
ワーグナーとフランスの芸術家たち(青柳いづみこ)
コードネームから読み解く《トリスタンとイゾルデ》(三澤洋史)
病める月───トリスタンの陰画(松平あかね)

■上演報告
バイロイト音楽祭報告2021(フランク・ピオンテク/山崎太郎訳)
国内ワーグナー上演2021(白石美雪)

■書評
国内ワーグナー文献2021(江口直光)
海外ワーグナー文献2021(フランク・ピオンテク/松原良輔訳)

 執筆者紹介

 日本ワーグナー協会2020年度活動記録