ピーター・バラカン(ブロードキャスター)推薦!
「プロデューサーと経営者を兼ねた“レコード・マン”として、アトランティックのアーメット・アーテガンと並ぶ20世紀の最重要人物は、まちがいなくアイランドのクリス・ブラックウェルでしょう。クリスのこの自伝は必読書です。」
1959年に誕生、史上最も重要なインディペンデント・レーベルとして偉大な足跡を残したアイランド・レコード。
ジャマイカで生まれたレゲエを世界に知らしめたボブ・マーリーや、アイルランドの英雄U2をはじめ、トラフィック、フリー、ロキシー・ミュージック、グレイス・ジョーンズ、ニック・ドレイク、ロバート・パーマー、トム・ウェイツ、B-52’sなど数々の伝説的なアーティストを発掘して世に送り出してきた。
独自の音楽観と経営哲学をもつその創業者クリス・ブラックウェルが、
ジャマイカ音楽や英ロック・シーンの黎明期からアイランドの発展、そして売却まで、
ヒット曲よりも「良い音楽」を創りだすことに情熱を注いだ妥協なきキャリアを語る!
ボノ(U2)
「クリス・ブラックウェルは──U2にとって計り知れない、
また我々が踏み入れた音楽の世界での人生にとってかけがえのない存在として──、
冒険家であり事業家、野心家、そして洞察力のある紳士である。
私は彼と知り合ったことに誇りを感じている」
著者が手がけた主なミュージシャン:スティーヴ・ウィンウッド、トラフィック、フリー、キャット・スティーヴンス、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、U2、ロバート・パーマー、グレイス・ジョーンズ、ロキシー・ミュージック、モット・ザ・フープル、ジミー・クリフ、ブラック・ウフル、スライ&ロビー、トム・ウェイツ、ニック・ドレイク、トム・トム・クラブ、リチャード・トンプスン、フェアポート・コンヴェンション、ジョン・マーティン、B-52’s、バグルズ、ビル・ラズウェル、キング・サニー・アデ、メリッサ・エスリッジ、etc…
プロフィール
クリス・ブラックウェル(Chris Blackwell)
1937年生まれ。ロックの殿堂入りを果たしたアイランド・レコードの創始者であり、レゲエ音楽を世界に広めた立役者である。幼少期をジャマイカで過ごし、1959年、22歳の時にアイランド・レコードを設立。その後、イギリスに移り、トラフィック、ボブ・マーリー、キャット・スティーヴンス、フリー、グレイス・ジョーンズ、U2、トム・ウェイツなど、多くのアーティストやバンドを世に送り出した。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『キャッチ・ア・ファイアー』を筆頭に数々の名盤もプロデュースしている。1989年にレーベルを売却。現在は、作家イアン・フレミングの旧邸宅であるゴールデンアイを含むジャマイカの高級リゾート群、アイランド・アウトポストを経営している。吉成伸幸(よしなり・のぶゆき)
1948年生まれ。1969年、立教大学在学中にサンフランシスコ州立大学に留学。3年間の学生生活の末、1972年に卒業後、帰国。音楽雑誌勤務を経て、フリーの音楽評論家としてテレビ、ラジオに出演。以後、音楽出版社、レコード会社に在籍しながら音楽関係書籍の翻訳も手掛ける。主な訳書にジョージ・マーティン『ザ・ビートルズ・サウンドを創った男 耳こそはすべて』(河出書房新社)、ベン・シドラン『トミー・リピューマのバラード ジャズの粋を極めたプロデューサーの物語』(シンコーミュージック)などがある。
CONTENTS
プロローグ Nearly the End…
すべてはジャマイカから始まった──ラスタに命を救われた若者
第1章 School versus Errol Flynn
学校か名士か――ジャマイカで人気俳優・作家を師と仰ぎ、名門ハロウ校を中途退学
第2章 The Fifties, Jamaica: Finding a purpose
50年代ジャマイカ:人生の目的を見つける――音楽ビジネスに身を置く決心するまで
第3章 The Sixties, London: Making Contact
60年代ロンドン:アイランドが一躍英ポップ・シーンの表舞台に──最初の大ヒット〈マイ・ボーイ・ロリポップ〉、S・ウィンウッドとの出会い
第4章 Hits, Misses, and the Human Host
変貌するアイランドと次々に現れるスーパーグループ、逃した大物たち──スペンサー・デイヴィス・グループ、トラフィック、モット・ザ・フープル、レッド・ツェッペリン
第5章 Folk: New Allies and New Sounds
ジョン・マーティン、フェアポート、ニック・ドレイクとの出会い――名プロデューサー、ジョー・ボイドと、新たな方向性の模索
第6章 Meeting Cat Stevens
キャット・スティーヴンスとの出会い――ポップ・スターからロック・スターに、そして改宗
第7章 Meeting Bob Marley
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの成功とレゲエの浸透、そして死──ジミー・クリフとトロージャン、映画『ザ・ハーダー・ゼイ・カム』
第8章 Voices, Visionaries, and Videos
フリーの成功と誤算、ロキシー・ミュージックとイーノ──そしてロバート・パーマーとの出会いと皮肉な結末
第9章 The Seventies: St. Peter’s Square, Hammersmith
新しいオフィス、新しい才能、展望と方法論──70年代のアイランド:LKJ、デニス・ボヴェル、スリッツ、バグルズ、トレヴァー・ホーン
第10章 The Eighties: Compass Point, the Bahamas
NYの新しい音楽シーンとコンパス・ポイントの役割――トーキング・ヘッズ、B-52’s、トム・トム・クラブ、ストーンズ
第11章 Timing: Grace Jones and the All Stars
グレイス・ジョーンズとコンパス・ポイント・オールスターズ――ブラック・ウフル、アフリカン・ミュージック、ゴー・ゴーと映画の失敗
第12章 Meeting U2
U2の4人と出会う──80年代の幕を開けたバンドでの賭けと予想外の成功
第13章 The Nineties: Shifting Ground
90年代の地殻変動――映画製作への挑戦、トム・ウェイツ、メリッサ・エスリッジ、レーベルの転機
第14章 Moving On: For the Love of Jamaica
さらなる前進、愛するジャマイカへ──ホテル・ビジネス、ラム酒、心のふるさとへの帰還、メアリとの暮らしと別れ
エピローグ:Whatever Next…
コロナ禍と先立った友人たち――ナタリー、ショーン・コネリー、トゥーツ、ミリー、バニ−、リー・ペリー、シーコ
謝辞
訳者あとがき
索引