旅する作曲家たち

定価:本体2400円[税別]

  • B6判変型・並製 | 328頁
  • 発売日 : 2019年4月25日
  • ISBN 978-4-86559-201-6 C1073
  • ジャンル : クラシック/音楽史
  • 装丁:折田 烈(餅屋デザイン)

ここではないどこかへ、
作曲家は音楽を手に携えて旅をする──
《ラ・フォル・ジュルネ音楽祭》日仏共通オフィシャルブック!

「行け! 外へ出て、遠方をめざせ!
 世界こそ、芸術家が挑むべき舞台!」
 ──C.M.v.ヴェーバー

修行のため400kmを徒歩で旅した大バッハ、
ヨーロッパ中を狂乱させたパガニーニの楽旅、
バルトークの民族音楽研究旅行、
豪華客船や鉄道に熱狂したタンスマンやオネゲル、
山をこよなく愛したマーラー、
転地療法に望みをかけたショパン……
旅はいかに作曲家たちの想像力を刺激したのか──

本書は、今年もゴールデン・ウィーク(5月3〜5日)に開催される
《ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019》の日仏共通オフィシャルブックです。

プロフィール

  • コリンヌ・シュネデール(Corinne Schneider)
    1969年、フランス生まれ。音楽学者(専門は19世紀〜現代)、執筆家、教師、放送作家。パリ国立高等音楽院で音楽史、美学、理論などを学ぶ。パリ第4大学(ソルボンヌ)メトリーズ課程でリスト研究家セルジュ・グートに師事。2002年、トゥール・フランソワ゠ラブレー大学に、第2帝政期フランスにおけるドイツ歌劇の受容にかんする博士論文を提出。博士(音楽学)。著書に『ヴェーバー』(Gisserot, 1998)、『シューベルトの影』(Fayard, 2007)などがある。

  • 西久美子(にし・くみこ)
    日仏英翻訳者。2005年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。2008年、リヨン第2大学修士課程修了。訳書にJ.‐J.エーゲルディンゲル『ショパンの響き(小坂裕子監訳、音楽之友社)、E.レベル『ナチュール 自然と音楽』、C.パオラッチ『ダンスと音楽』、E.バリリエ『「亡命」の音楽文化誌』(以上アルテスパブリッシング)がある。

CONTENTS

 日本語版に寄せて(ルネ・マルタン)

 はじめに 旅へのいざない

第1章 旅立つ音楽家たち(1)

研鑽・留学
就職
 起業・教授活動
新作受注
演奏旅行
 ピアニストの旅──タールベルクとリストの場合
 ヴァイオリニストの旅──パガニーニとヴュータンの場合
 指揮者の旅──ベルリオーズの場合
 二〇世紀の世界ツアー──タンスマンの場合

第2章 旅立つ音楽家たち(2)

音楽祭
 音楽祭の誕生
 ニーダーライン音楽祭
 ベートーヴェン音楽祭
 ヴァグネリアンたちの「バイロイト詣で」
万国博覧会
 民族音楽がいざなう擬似旅行
 万博から生まれた音楽作品

第3章 旅立つ音楽家たち(3)

民族音楽学者たちの調査旅行
 民族音楽学の誕生
 ヴォーン・ウィリアムズ、コミタス、イーデルゾーン、ブラィロイユの旅
 バルトークの旅
 フロレンツの旅
 民族音楽学が「旅をしない作曲家たち」に与えた影響
フィールド・レコーディング
余暇
 山に魅せられた作曲家たち
 ショパンの転地療養
 温泉地へ旅立った作曲家たち
「観光」の誕生

第4章 作曲家と移動手段

徒歩か列車か
飛行機
馬車

豪華客船と世界周航
船旅と海の脅威
川船

汽車
現代性の象徴としての鉄道
 鉄道を表現した作曲家たち
列車の記憶

【コラム】旅する楽器たち

第5章 音楽と航海

海に魅せられた作曲家たち
 ロパルツ、ベルリオーズ、シャブリエ
 メンデルスゾーンが音で描いた航海
 ドビュッシーと「流動する物質」としての海
 イベールの《海の交響曲》
船乗りだった作曲家たち
 アルベール・ルーセル
 アントワーヌ・マリオット
 ニコライ・リムスキー゠コルサコフ
 ジャン・クラ──音楽界のピエール・ロティ

第6章 八十曲と世界一周

ヨーロッパへの旅
 フランス
 スコットランド
 エストニア
 フィンランド
 ロシア
 コーカサス地方
 ポーランド
 ハンガリー
 ルーマニア
 スイス
 イタリア
 スペイン
中東・アフリカへの旅
 中東
 サハラ砂漠
 アルジェリア
 エジプト
 ギニア
 アルジェリア
 ガーナ
 ケニア
 イラン
インドへの旅
インドネシアへの旅
極東への旅
 中国
 日本
 中国
 日本
 中国
アメリカ大陸への旅
 カリブ海地域
 ブラジル
 キューバ
 メキシコ
 アメリカ合衆国

おわりに オデュッセウスの帰還

 訳者あとがき

 原注

 参考文献
 人名索引