武満徹の電子音楽|お詫びと訂正

川崎弘二著『武満徹の電子音楽』の本文の記述に誤りがありました。お詫びして、下記のとおり修正いたします。【2019年10月2日最終更新】

なお、その後の調査によって判明した新事実については、著者・川崎弘二さんのサイトで公開しております。
こちらも合わせてご参照ください。
http://kojiks.sakura.ne.jp/takemitsu2.html

 

P.83、86
炭鉱の中 → 炭坑の中

P.94 表1を以下に差し替え。合わせてキャプションを「表1:12音平均律と8音平均律の周波数比(カッコ内はセント値)」に変更。
表1:12音平均律と8音平均律の周波数比(カッコ内はセント値)

P.94 L19〜P.95 L2を以下に差し替え。(協力:石塚潤一)
八音平均律の周波数比は二の八乗根(≒1.0901)であり、表1に示すように十二音平均律を基礎とした八音音階と八音平均律は、四つの音で同一の値、残りの四音は四分音高い値となり、両者には類似性が認められる。先に述べた「レント・ミステリオサメンテ」だけでなく、武満は一九五一年に発表した「妖精の距離」や、五三年の「遮られない休息」などの作品でも八音音階を試みていた。移調の限られた旋法の第一番は、全音の音程をなす二音からなる音列が重ねられたいわゆる六全音音階であり(ド、レ、ミ、ファ♯、ソ♯、ラ♯)、音程の幅はすべて200セントである。移調の限られた旋法の第二番は、100、200、100、200セントの幅で繰り返される八音からなる。そして、八音平均律はすべて150セントの幅の音程による八音からなる音律である。すなわち、武満の採用した八音平均律は移調の限られた旋法の第一番と第二番を混交したかのような音律であり、これは武満流の「移調の限られた旋法」であったと捉えることも可能だろう。しかし、通常の十二音平均律に調律された楽器では八音平均律によって作曲された音楽を演奏することはできない。そこで「炎」という作品において武満は、電子テクノロジーの力を借りることで新しい音律の世界を探求しようとしたわけである。ただ、八音平均律による音階は、四つの音が十二音平均律と四分音ずれるため、移調の限られた旋法の第一番/第二番のように伝統的な和声理論に接続させることはできない。そのため、次に述べるように武満は単旋律で電子音を使わざるを得なかったのかもしれない。

P.270、p443下段
八代静一 → 矢代静一

P.1052
註17 (一九五六年二月六日) → (一九五六年二月四日)

P.1113
註31 表現者 → 表現社

P.1116
註29 Columbia Records – CBS – Odyssey / 32 16 0366 → Columbia Records / MS-6445

p1128
註26 日本の時空間|『間』をテーマに → 日本の時空間―『間』をテーマに