ライター、批評家のimdkm(イミヂクモ)さん(著書に『リズムから考えるJ-POP史』)と、同じく批評家・ライターの伏見瞬さん(YouTube番組「てけしゅん音楽情報」、著書に『スピッツ論』)がウェブに書いて下さった『スピード・バイブス・パンチライン』評をどちらもとても嬉しく読みました。
imdkmさんのレビューはご自身のブログに書かれたもので、「まさに時宜を得た一冊に思える。けれども、本書はヒップホップとお笑いの接近をよりいっそうリテラルに、ラディカルに解釈しようとする点で異色でもある」と始まり、「読み味としてはほとんど怪文書だ(いい意味で)。一方で、一本一本のエッセイには見るべきアイデアと先行する言説を踏まえた状況の整理が張り巡らされていて、人を触発するには十分なスプリングボードになりえていると思う。」と評価。最後には問題提起もいただきつつ、アクチュアルな一冊として評価していただきました。
伏見瞬さんのレビューは音楽ウェブメディア『TURN』への寄稿。序盤で本書の概要を的確に整理したあとに展開される評文はじつに刺激的で、批評という営為の意義を再確認させられるような内容ですが、なかでも「「絶望」が「希望」に変わり、「希望」が「絶望」に変わる、メビウスの輪のような様相を呈している。その様こそが我々の現実だと本書は主張する」という一節には痺れました。本書に「絶望」を読み取っていただけて本望です。
お二方、素晴らしい書評をありがとうございました。