10月31日の公明新聞「話題の本」コーナーに『相倉久人にきく昭和歌謡史』の書評が掲載されました。
ジャズ評論の先達、野川香文、油井正一、福田一郎らが、歯牙にもかけなかった昭和歌謡の周辺を俎上に、語りおろした日本ポップス文化論である。
語り手の相倉久人が、ジャズの現場に深いかかわりを持つ一方、日本レコード大賞の審査員を四半世紀も務め、その間に作曲、編曲、歌手たちと親交を深めていただけに、逸話は豊富で幅は広い。「昭和の流行歌をふり返りながら、日本人と音楽について見よう」が原点だったという企ては、相方・松村洋の入念な準備と共振、対立、飛躍、アレンジメントでユニークな昭和歌謡史に仕上った。
評者は出版評論家の塩澤実信さん。編者の仕事ぶりまで評価していただけてうれしいです。[S]