「TURN」に『日本音楽の構造』の書評!

ウェブマガジン「TURN」に、「日本音楽の独自性を解き明かす必携の一冊」と題して、よろすずさんによる中村明一著『日本音楽の構造』の書評がアップされました(1月9日)。
 
とても嬉しい評なので、いつもより長めに引用させてもらいます。
 
圧巻なのはやはり第一章だろう。「日本音楽」が(西洋音楽において発達した狭義の)和声に乏しいことや、間やリズムの自由性を重要視するものであることは筆者も感覚的に理解してはいたものの、本書ではそれらが「日本音楽」の持つその他の特性(…)と密接に関わり合いながら育まれてきたものであることが、「密息」の存在を地盤としながら立体的に明かされていく。
 
締めくくりでは
本書は専門性とわかりやすさをバランスよく備えた、大変貴重かつ優れたものであった。西洋音楽が発展させてきた要素、それによって組み立てられた音楽が身近なものとなって久しい現代の私たちにとって、日本音楽の存在は根源的なものとしても、オルタナティブなものとしても立ち表れ得る、可能性に満ちたものであるはずだ。本書が明かしてくれる要素、特性の数々は、きっと多くの人にとって、その可能性に満ちた領域への具体的な道標となるだろう。」
 
よろすずさんの書かれた記事を見てみると、音楽レビューではバリバリのダブが取り上げられていたりするので、お若い方かなと想像していたら、90年生まれの電子音楽家の方でした。Bandcampでリリースされている音源を聞きながらこの投稿も書いています。
 
こういう方にこの本が届いたことがとても嬉しいです。励みになる書評をありがとうございました!