ARTES インフォ*クリップ[vol.076]今年のアルテスは小説から!号

□ CONTENTS □
・代表ふたりが選ぶ2015年のベスト
・高橋健太郎、初の小説『ヘッドフォン・ガール』を1月に刊行します!
・ただいま編集中! 『リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ』
・好評発売中! 『泣くのはいやだ、笑っちゃおう 「ひょうたん島」航海記』
・『ウルトラセブン・スコア・リーディング』、完売御礼!
・誠光社のお仲間に加えていただきました
・松田美緒1月のライヴ情報
・最近のアルテス──書評・イヴェントなど
・アルテスの本のお買い求めはこちらのお店でどうぞ
・アルテスのおすすめ! 旬の音楽情報

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■ 2015年ベスト
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鈴木 茂

◎CD
Apple Musicによってリスナー生活が激変しましたが、ディスクで
聴いた回数の多いものを中心に選んでみました。ほかに、松田美緒
は別にすると、Tricolor、Tipusipuca、NaBaNa、hatao&nami、
奈加靖子など日本のケルト/アイルランド音楽、アラバマ・シェイ
クス『Sound & Color』、優河『Tabiji』、ウィルコ『Star Wars』、
ルシアナ・ソウザ『Speaking in Tongues』、原田知世『恋愛小説』、
ECD『Three Wise Monkeys』、ティグラン・ハマシアン『Mock-root』、
ダイメ・アロセナ『Nueva Era』、ケンドリック・スコット・オラクル
『We Are Drum』、Chassol『The Big Sun』、『Indiamore』、
Punch Brothers『The Phosphorescent Blues』などもよく聴きました。

・渋谷慶一郎『ATAK022 Live in Paris』
  渋谷さんと共に体験したサラウンド試聴会でのサウンドと音像
  に仰天。sonoriumでのピアノ・ソロ・ライヴとあいまって、
  音響作品としての意味が一気にクリアになった。
・中川敬『にじむ残響、バザールの夢』
  3枚のソロ作の中ではいちばんすんなり歌が入ってくる。ソロ
  弾き語りも2回聴いたが、ライヴはリクオさんとの「うたのあ
  りか」(高野寛さんがゲスト)も絶品でした。
・中島ノブユキ『散りゆく花』
  日本のピアニストとしては林正樹さんの『Pendulum』ととも
  に愛聴。これからの展開にも期待が募ります。
・アジアン・カンフー・ジェネレーション『Wonder Future』
  我らが建築家、光嶋裕介さんが舞台美術を担当した東京国際フ
  ォーラムでのライヴでも、重量感あるタイトな8ビートを堪能
  しました。
・キリンジ『11』
  堀込兄率いる新生キリンジの素晴らしい船出。『extra11』と
  ともに愛聴してます。
・ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』
  何をやってるのかよく分からないので気になって繰り返し聴い
  ちゃう、というタイプのアルバム。
・ディアンジェロ&ザ・ヴァンガード『ブラック・メサイア』
  去年もっとも、かっこよさにしびれたアルバム。
・カマシ・ワシントン『ジ・エピック』
  ひたすら圧巻。わかりやすすぎるかも?という当初の危惧は杞
  憂でした。
・マリア・シュナイダー・オーケストラ『The Thompson Fields』
  今度来てくれたら絶対見に行きたいアーティストの筆頭。名盤
  『Sky Blue』に続く最新作も最高でした。

◎映画
『イミテーション・ゲーム』(しか見てない)

◎ダンス
山田うんCo.『春の祭典』東京芸術劇場

◎書籍
橋口幸子『いちべついらい 田村和子さんのこと』夏葉社
  おつき合いのある書き手の新著を追うだけで精一杯な中、仕事
  からもっとも遠い1冊。田村隆一どころか詩という分野そのも
  のに疎いのに、店頭でのたたずまいに惹かれて購入。「こうい
  う本つくりたいなあ」としみじみ思いながら味わいました。

◎漫画
小玉ゆき『月影ベイベ』、吉田戦車『まんが親』、肥谷圭介『ギャ
ングース』、なきぼくろ『バトルスタディーズ』、尾瀬あきら『ど
うらく息子』、羽海野チカ『3月のライオン』、東村アキコ『かく
かくしかじか』、松田奈緒子『重版出来』、石塚真一『BLUE
GIANT』、井上雄彦『リアル』
  単行本で読んでるものと週刊誌連載で読んでるのとが混在して
  ます。
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木村 元

昨年は自分にとっては「厄年」に近い状況で、仕事の仕方や健康の
意味を考えさせられる1年でした。カレンダーを繰ってみて、行け
たコンサートのあまりの少なさに驚いています。そんななかで、心
にとまったことを少しだけ。

◎舞台
劇団民藝「冬の時代」
明治末期から大正にかけて社会主義者たちの生活を支えた出版社
「売文社」社長の堺利彦をモデルにした木下順二の戯曲。同じ時期
に20年ぶりくらいに読んだ須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』
とも響き合うところがあって、出版社という「場」の意味をあら
ためて考えました。

◎本
辻邦生『嵯峨野明月記』(中公文庫)
もともとトレンドを追いかけるほうではないのですが、昨年は本も
CDも、昔読んだものを再読したり、昔気になりながら聴かずに過
ごしてしまったものをまとめて聴いたり、ということを、けっこう
意識的にしていたような気がします。辻邦生は高校から大学のころ
に熱中したのですが、本書はそのころはあまりピンと来なかったも
の。たまたま夏に訪れた京都・養源院で俵屋宗達の板絵を見たこと
もあって、光悦・宗達・素庵の関係をもういちど確認したくなり手
にとったところ、これが大当たり。アートの評論の究極のかたちか
もしれない、とも思ったり。これもある意味、「出版社」を舞台に
した小説。

◎CD
Allison Kraus / Forget About It
こちらも新譜を挙げられなくて残念ですが、1年を通していちばん
よく聴いていたのがアリソン・クラウス。Apple Musicで手当たり
次第に聴いたほか、ライヴDVDも購入して、それこそ浴びるよう
に聴きました。「癒し」ということばはあまり好きではありません
が、昨年の自分にとってはあの声が「薬」でした。感謝。

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高橋健太郎、初の小説『ヘッドフォン・ガール』を1月に刊行します!
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アルテスで復刊した『ポップ・ミュージックのゆくえ 音楽の未来
に蘇るもの』に次いで昨2015年に刊行された2冊目の著書『スタジ
オの音が聴こえる』(DU BOOKS)が大きな反響を呼んでいる
高橋健太郎さんの、初めての小説『ヘッドフォン・ガール』を、
2016年1月25日に発売します。

音楽評論、レコーディング・エンジニア、音楽プロデュース、作
曲、音楽配信サイト「ototoy」運営などなど、音楽業界で30年以
上にわたって多彩な活躍を続けている高橋さんのもとに、「8年ほ
ど前のある日、ふいにやってきた」物語。それに磨きをかけて完成
させたこの『ヘッドフォン・ガール』は、随所に織り込まれた音楽
をめぐっての設定やエピソード、仕掛けが音楽ファンを喜ばせてく
れるとともに、タイムスリップSFとしても、ミステリーとしても、
さらには青春小説としても、多くの読者を唸らせるであろう上質の
エンタテインメント作品です。

アルテスとしても初めてお届けする小説となる本作は、読み返すた
びに新しい発見があり、複雑な設定がじつに精緻に練られているこ
とに驚嘆させられます。どんな反応をいただけるのか、今からワク
ワクしています!

定価:本体1600円[税別]
四六判変型・ビニール装320頁
発売日:2016年1月25日
ISBN:978-4-86559-129-3
ジャンル:日本文学・男性作家
装画:へびつかい
装幀:佐々木暁

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■ ただいま編集中!
『リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ』
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仏電子音楽の巨匠リュック・フェラーリ(1929-2005)が遺した18
の断章からなる「自伝」、そして数々の自伝的エピソードをもと
に、会話と音楽と日常音とを融合させてフェラーリ特有の「逸話的
音楽」を実現したヘールシュピール(ラジオドラマ)の傑作《セン
チメンタル・テールズ》を、フェラーリ研究の第一人者、椎名亮輔
さんが本邦初訳。公私ともにパートナーであったブリュンヒルド・
メイヤー・フェラーリの全面的な協力のもと、写真も多数掲載し、
椎名さんによる「リュック・フェラーリ小伝」、筒井はる香さんに
よる「ドイツにおけるヘールシュピール小史」を付し、越境し続け
た人フェラーリの芸術の神髄を伝えるファン必読の書が誕生します。

リュック・フェラーリ センチメンタル・テールズ
あるいは自伝としての芸術

椎名亮輔[訳]
【予価】本体2800円[税別](予定)
四六判・上製・288頁(予定)
ISBN978-4-86559-136-1 C1073
ジャンル:現代音楽/作曲家
ブックデザイン:寺井恵司

発売は3月。一般発売にさきがけて、当サイトで先行発売をおこな
う予定です。詳細は追ってお知らせいたします。

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■ 好評発売中!
『泣くのはいやだ、笑っちゃおう 「ひょうたん島」航海記』(武井博 著)
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まるい地球の水平線に青春の光を探し求めて──

1964年4月に放送を開始、69年4月まで5年間にわたって、子ど
もたちを夢中にさせた伝説の人形劇『ひょっこりひょうたん島』。
そこに集まったのは、脚本の井上ひさし/山元護久コンビ、作曲の
宇野誠一郎、アニメーションの久里洋二、人形造形作家の片岡昌、
人形劇団ひとみ座の面々、そして藤村有弘、熊倉一雄、中山千夏ら
声優陣といった若き才能たちでした。

彼らに声をかけ舵をとったのが、本書の著者、すなわち番組の生み
の親でもある当時のNHK担当ディレクター、武井博です。

本書は、番組のアイディアに始まり、脚本チームのこと、難産だっ
た主題歌、声のキャスティング、撮影方法、そして今も生き続ける
ひょうたん島のスピリットなどなど、誕生から番組終了までのすべ
てを、制作現場をよく知る当事者ならではの秘話、エピソードとと
もに生き生きと語った、夢のふくらむノンフィクションです。

定価:本体1800円[税別]
四六判・並製・280頁
発売:2015年12月15日
ISBN978-4-86559-133-0 C0074
ジャンル:テレビ/ノンフィクション
装丁:福田和雄(FUKUDA DESIGN)

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『ウルトラセブン・スコア・リーディング』、完売御礼!
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10月20日から予約開始、12月20日から一般発売を開始した『ウル
トラセブン・スコア・リーディング』ですが、おかげさまで弊社在
庫は年明けを待たずに完売いたしました! ご予約、ご購入くださ
ったみなさま、予約協力店各位に御礼申し上げます。

アマゾン・ジャパンほかまだ在庫をもっていただいている店舗もあ
りますので(見つけたらラッキー!)、「しまった、買い逃した」
というお客様もまだチャンスが!

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誠光社のお仲間に加えていただきました
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恵文社一乗寺店ではアルテスもたいへんお世話になった堀部篤史さ
んが、先月25日に新たに「誠光社」という書店をオープンされた
のは、出版・書店業界の方ならとうにご存知だと思いますが、今週
からアルテスの書籍も扱っていただくことになり、トップページに
社名を掲載していただきました……

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松田美緒1月のライヴ情報
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◎1月11日(月・祝)17:30open 18:00start@大阪・CHOVE CHUVA
『Quatro M』Mio Matsuda & Mika Mori LIVE
NY在住のピアニストMIKAさんと初共演!100%ブラジル音楽を
お送りします。Mの頭文字4つから、クアトロM!!

出演:松田美緒 (vo) MIKA (piano)
予約 3000円 当日3500円
大阪市西区京町堀 1-13-2 藤原ビル2F
Tel & Fax.06-6225-3003

◎1月14日(木)18:30open 19:30start@西荻窪・Copo do Dia
『クレオールな夜』ファド・モルナ編
リスボンの哀愁SAUDADEの歌、カーボヴェルデの海の温もり
SODADE……新年からたっぷりおおくりします。
出演:松田美緒(vo) 山口亮志(g) with guest 寺前浩之(バンド
リン)
3000円+オーダー
東京都杉並区西荻北4-26-10-103
TEL 03-3399-6821

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■ 最近のアルテス──書評・イヴェントなど
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おおたとしまささんが『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる』を絶賛!
『ぶらあぼ』で『わからない音楽なんてない!』紹介
・公明新聞に『「聴くこと」の革命』書評掲載!(詳細は続報)

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アルテスの本のお買い求めはこちらのお店でどうぞ
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アルテスの本は、全国の書店・楽器店・CDショップ・オンライン
ショップにてお買い求めいただけます。そのなかでもお求めいただ
きやすいお店のリストを公開していますので、ぜひご利用ください
(リストは随時更新しています。各店の在庫はご来店の前にご確認
・お問い合わせください)。

そのほか、弊社ウェブサイト・お電話・FAXでもご注文をうけたま
わっています(送料無料)。

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アルテスのおすすめ! 旬の音楽情報
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◎書籍
奥和宏『ベルウッドの軌跡』リットーミュージック(NextPublishing)
加藤典洋『村上春樹は、むずかしい』岩波新書
アサダワタル『表現のたね』モ*クシュラ
三野明洋『やらまいか魂 デジタル時代の著作権20年戦争』文藝春秋企画出版部

山崎ナオコーラ『かわいい夫』夏葉社

◎CD
アサダワタル『歌景、記譜、大和川レコード』路地と暮らし社
北村早樹子『わたしのライオン』なりすコンパクト・ディスク

◎コンサート/イヴェント
1/11 松田美緒|『Quatro M』Mio Matsuda & Mika Mori LIVE|大阪・CHOVE CHUVA
1/11 中川敬|新春謡初めライヴ<東京篇>|東京・Zher the ZOO YOYOGI
1/14 松田美緒|『クレオールな夜』ファド・モルナ編|西荻窪・Copo do Dia(コッポ・ド・ジーア)
1/17 久元祐子|モーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏会vol.1|サントリーホール ブルーローズ
1/17 日本赤十字社 献血チャリティ・コンサート New Year Concert 2016|サントリーホール
1/11 中川敬|新春謡初めライヴ<東京篇>|東京・Zher the ZOO YOYOGI
1/22、23 高橋悠治+波多野睦美|冬の旅|クレオール
1/25 高橋悠治+波多野睦美|冬の旅|東京オペラシティ リサイタルホール
1/29 寺神戸亮 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル|浜離宮ランチタイムコンサートvol.144|浜離宮朝日ホール
1/30 間宮芳生の声「白い風、夜の歌 アメリカ・インディアンの神話による」|静岡音楽館AOI
2/11 サラウンドシアター|プロコフィエフ「冬のかがり火」|渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
2/25 波多野睦美+鈴木優人|花の街 日本とイギリスの歌|浜離宮朝日ホール

2/27 タブラトゥーラ|土曜ティータイムコンサートシリーズ《音楽のある風景》第44回|フィリアホール
3/19・20|ソウル・フラワー・ユニオンwithリクルマイ「闇鍋音楽祭2016」|大阪・umeda AKASO、東京・TSUTAYA O-WEST

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ARTES インフォ*クリップ[vol.076]    配信数:2479
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発行日:2015年1月11日
発 行:株式会社アルテスパブリッシング
〒155-0032 東京都世田谷区代沢5-16-23-303
TEL 03-6805-2886│FAX 03-3411-7927
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