ARTES インフォ*クリップ vol.3(1/10号)

メルマガ第3号にひきつづき、「インフォ*クリップ」のPDF版ができました!
今回の目玉は1/25発売の『音盤考現学』。著者・片山杜秀さんのトーク・セッション(3/20[木・祝]ジュンク堂書店池袋店にて)の情報がトップです。[木村]
◎ARTES インフォ*クリップ 2007年11月16日号
 ダウンロード:infoclip20080110.pdf


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  ARTES インフォ*クリップ[vol.003] 2008/01/10
             ■アルテスパブリッシング
              □鈴木 茂・木村 元・船山加奈子
               □www.artespublishing.com
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□ CONTENTS
・速報! 片山杜秀さんのトークセッションをおこないます。
・新春企画*アルテスの3人が選ぶ「2007年この1冊この1枚」
・今月の新刊──片山杜秀『音盤考現学』
・最近のアルテス──書評など
・好評既刊
・現在、制作中!──今後の出版予定より
・旬の音楽情報
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■ 速報! 片山杜秀さんのトークセッションをおこないます。
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松も取れましたが、遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。
昨年はアルテスにとっては創業、そして出版活動スタートの記念す
べき年となりました。多くの方々の応援をいただき、予想(覚悟?)
をはるかに上回る好スタートを切ることができた昨年でしたが、今
年こそが本番。「音楽書」といういっけん地味な、でも質の高い著
者や読者にめぐまれたこのジャンルに、たしかな存在感を示すこと
ができますよう、気をひきしめていきたいと思います。どうぞ倍旧
のご支援・ご鞭撻をたまわりますよう、お願いいたします。
さて、新年早々、速報です。アルテス第3弾となる『音盤考現学』
の著者、片山杜秀さんが、ジュンク堂池袋店でトークセッションを
おこないます。
◎日 時: 2008年3月20日(木・祝)
      19:00スタート
◎場 所: ジュンク堂書店池袋店・4Fカフェ
◎入場料: 1,000円(ドリンク付き)
◎申込み: 03-5956-6111
      ジュンク堂書店池袋店1Fサービスカウンター
聴き手には音楽ジャーナリストで編集者の岩野裕一さんを迎え、
「日本のクラシックを発掘せよ!」と題して、片山さんの愛してや
まない『ゴジラ』『大魔神』といった特撮映画や時代劇映画などの
音楽、そして伊福部、武満、黛、芥川、團など日本の作曲家の話を
中心に、片山杜秀という人物がどのようにして形成されたかを、音
楽を聴きながら、じっくりとあぶり出していただく予定です。どう
ぞふるってご参加ください。
☆いよいよ1/23発売!
 片山杜秀『〈片山杜秀の本1〉音盤考現学』
 http://www.artespublishing.com/books/903951-04-1.html
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■ 新春企画*アルテスの3人が選ぶ「2007年この1冊この1枚」
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今回は特別企画として、アルテスの3人が激動の2007年に、いった
い何を読んだり聴いたりしていたのかを振り返ってみたいと思いま
す。当然のことながら、3人3様。同じような嗜好をもつ人間ばか
りが集まっても面白くありません。文章のタッチや文字数もばらば
ら(笑)。このアンバランスさがアルテスの魅力?──と、能書き
はこれくらいにして、まずは隊長の鈴木から。
◎鈴木茂
アルテスの立ち上げと編集・営業の業務に追われて、これほど本も
読めずCDも聴けず、多くのライヴを諦めた年はありませんでした。
インプットがないと自分がいかに空っぽになるかを痛感した年でも
あります。
そんな中で1冊だけ挙げるとしたら、相棒の木村が会社員時代に手
がけたものなので手前味噌気味ではありますが、若尾裕著『音楽療
法を考える』(音楽之友社刊)でしょうか。
とっかかりはタイトル通り音楽療法ながら、新旧・古今東西を問わ
ずさまざまな音楽を引っぱりだされ(杉本拓なんていう名前まで!)、
音楽の本質を考えるうえでの重要なヒントがいっぱいつまった刺激
的な本です。
短いコラム集の体裁をとっていますから、読みやすさも抜群で、柔
軟な思索と平明な語り口にもいたく感銘を受けました。読んでいる
とこちらの頭まで活発になったような気になれます。ここを出発点
として、増田聡さんや毛利嘉孝さんたちの近年の優れた仕事に触れ
てみるのも楽しいでしょう。音楽とは何か? という命題に惹かれ
てやまない方、とくに音楽学や音楽美学に関心のある方には強くお
薦めします。
購入枚数激減とはいえ、CDを1枚選ぶのはむずかしすぎるので聴い
た回数が多かった盤を思いつくままに。
まずブラジル勢からギタリストのヤマンドゥ・コスタの諸作、09年
にぜひ来て欲しいカエターノ・ヴェローゾの『セー・ライヴ』とマ
リア・ヒタの『Samba Meu』。女性シンガーではカナダのジョニ・
ミッチェル『Shine』やイングランドのリンダ・トンプソン
『Versatile Heart』という大ベテランしみじみと堪能。リンダの
かつてのパートナーで我が最愛のミュージシャンの一人、リチャー
ド・トンプソン『スウィート・ウォリアー』も文句なし。
トラッドでは4度目の来日公演も素晴らしかったスウェーデンのヴ
ェーセン『リネウス・ヴェーセン』を外すわけにはいきません。
年末に入手したアイルランドのダーヴィッシュ『Travelling Show』
も期待に違わぬ力作。日本のミュージシャンではますます曲のすば
らしさに磨きがかかったソウル・フラワー・ユニオンのマキシ・シ
ングル『寝顔を見せて』、矢野顕子と組んだレイ・ハラカミの天才
ぶりが光る『yanokami』、それに久保田麻琴さんのプロデュースが
光るあがた森魚『タルホロジー』。
セネガルのユッスー・ンドゥール『Rokku Mi Rokka』とカーボベ
ルデのチェカ『ヌ・モンダ』もすっかり愛聴盤となっています。
それから、なんといっても強烈だったのは青山の草月ホールで初め
て見たエグベルト・ジスモンチのライヴ! ECMから多くのアルバ
ムを発表しているブラジルの鬼才ですが、まさに空前絶後の巨大で
強靱な音楽と演奏には腰が抜けました。久々に体験した怪物級のミ
ュージシャンです。やっぱりライヴにはまめに足を運ばねば。
◎木村元
【本】
中沢新一『ミクロコスモスI』(2007、四季社)
夏頃、書店営業のついでに、なんとなく気になって買ったのですが、
年末も年末、12/30に実家に帰省する新幹線のなかで読みはじめ、
いっきに「2007年この1冊」に躍り出ました(ほんとは鷲田清一さ
んの『「聴く」ことの力──臨床哲学試論』[1999、阪急コミュニ
ケーションズ]のことを書こうと思っていたのですが)。
中沢新一さんは、発想の根本に「音楽」があるんですよね。比喩と
してではなく、発想がそのまま「音楽」。「音楽的な本をつくりた
い」とつねづね思っているアルテスにとって、ひとつの手本となる
ような本だと思いました。造本もすてきです。
【CD】
波多野睦美『サイレント・ヌーン』(2007、エイベックス)
一昨年6月の波多野さんのリサイタル以来ずっと、このアルバムの
リリースを心待ちにしてました。ブリテン、クイルター、ヴォーン
・ウィリアムズ、ウォーロック、ウォルトンなど近現代のイギリス
歌曲を集めた1枚。
パーセル、ヘンデル以来、大作曲家を生まなかったといわれるイギ
リスですが、もしかすると大陸の音楽のロマンティックな肥大化に
巻きこまれなかったからこそ、ダウランドなどからビートルズにい
たるまで、地に足のついた、でもどこかスパイスの効いた「ポップ」
な音楽的感性が生きつづけているのではないか──なんて想像がふ
くらみます。
波多野さんのうたは、知性と感性との共存ということばがぴったり。
野平さんのピアノも、うたと戯れる自在さが素晴らしいです。雅で
官能的で、メンタルでフィジカルなアルバム。
【おまけ1:演奏会】
北とびあ音楽祭 モンテヴェルディ《オルフェーオ》(11/15)
能の様式美とバロック・オペラがここまで有機的な融合をとげると
は! それにくわえて、演奏の野性味、望月通陽さんの簡素で象徴
的な美術も! 中沢新一さんのいう「神話」というものの原初的な
力を具現化した素晴らしい舞台でした。
【おまけ2:ソフトウェア】
Adobe InDesign
数年前にあるDTPソフトで本を1冊つくったことがありましたが、
そのとき「もう自分で組版はやるまい」と心に誓ったものでした。
しかし、ほんとは組版にこそ出版社・編集者の矜持があらわれる。
このソフトに出会って、「編集は外注しても、組版はじぶんでやり
たい!」とつよく思うようになりました。
◎船山加奈子
・この1冊
『雪沼とその周辺』堀江敏幸
新潮文庫(2007/07)
今年の読書で一番うれしかったのは堀江敏幸の小説と出会えたこと!
・この1枚
『yanokami』
(2007/8)
矢野顕子とレイ・ハラカミのユニット。極楽~みたいな音楽。
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■ 今月の新刊
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片山杜秀『〈片山杜秀の本1〉音盤考現学』
四六判・上製・280頁
定価:本体1700円+税
ISBN978-4-903951-04-1
いよいよ1/23発売!
『レコード芸術』誌の人気連載「傑作!? 問題作!?」を
ついに単行本化!
武満、黛、團、伊福部、西村、細川、川島から
ブーレーズ、ベリオ、ノーノ、ライヒ、タン・ドゥンまで──
現代音楽の荒野に批評の絨毯爆撃が炸裂する!
政治、社会、思想、映画、演劇、芸能……全方位に伸びる好奇心の
アンテナは現代音楽になにを聴き取ったのか?
批評なき現代音楽の時代は終わった。
ぼくたちには片山杜秀がいる──
現代の知の渉猟者がついにヴェールを脱ぐ、待望の第一音楽論集。
http://www.artespublishing.com/books/903951-04-1.html
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■ 最近のアルテス
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・出版業界誌の老舗『出版ニュース』の12月下旬号で『村上春樹に
 ご用心』が紹介されました。“村上春樹ファン必読の1冊”と。
・『モーストリー・クラシック』2008年2月号で、『クラシックで
 わかる世界史』を紹介していただきました。「人物中心の豊富な
 脚注が理解を助ける」と、編集担当にとってはとてもうれしい評。
・『音楽現代』2008年1月号で保延裕史さんが『クラシックでわか
 る世界史』が紹介してくださいました。「ヨーロッパにおける歴
 史と音楽が、有名な作品 を象徴的に取り上げることで非常にわ
 かりやすく説明されている」と。
・『クラシックジャーナル』029号で堀史恵さんが『クラシックで
 わかる世界史』を「リアルな読後感をもちました」と評してくだ
 さいました。
・「ほぼ日刊イトイ新聞」で、木村が『クラシックでわかる世界史』
 について書かせていただきました(12/12)。本の内容だけでな
 く、「音楽書」というジャンルのどこがどう面白いのか、日々考
 えていることを。
・養老孟司さんが2007年の3冊に『村上春樹にご用心』を選んでく
 れました!(12/9毎日新聞) 「まじめに笑って読める本って、
 めったにない」「文章を体から書いている人は違いますね」と3
 冊の筆頭に。
・『クラシックでわかる世界史』、刊行約1カ月で早くも重版!
 (12/4)
・『東京人』に小池昌代さんによる『村上春樹にご用心』の書評が
 掲載されました(12/3発売)。『走ることについて語るときに僕
 の語ること』ほか村上春樹の作品とともに見開き2ページでたっ
 ぷり。“「欠いている」ものを体感する読書”と題して、ご自身
 の身体的村上春樹読書体験(「死者の感触」を得る「不気味な快
 楽」)と村上春樹の中心をなす「空白」を語っています。
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■ 好評既刊
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内田 樹『村上春樹にご用心』
四六判・並製・256頁
定価:本体1600円+税
ISBN978-4-903951-00-3
4刷、絶賛発売中!
http://www.artespublishing.com/books/903951-00-3.html
西原 稔『クラシックでわかる世界史
──時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲』
A5変型・並製・352頁
定価:本体2400円+税
ISBN978-4-903951-01-0 
重版出来。大好評発売中!
http://www.artespublishing.com/books/903951-01-0.html
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■ 現在、制作中!──今後の出版予定より
 (書名などはいずれも仮のものです)
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ピーター・バラカン『新・魂(ソウル)のゆくえ』
予価:本体1500円+税
みんなこれを読んで大きくなった──
1989年に刊行され、長らく絶版になっていたソウル・ミュージック
入門書の名著を、全面的にリニューアルしてついに復刊!
村井康司『〈アルテスCDガイド〉ジャズ101』
予価:本体1600円+税
菊地成孔推薦! 厳選の101+202枚。
http://www.artespublishing.com/books/903951-02-7.html
山本訓久『指揮法STEP by STEP』
予価:本体1800円+税
合唱から管弦楽まで、1冊で習得できる!
久保田慶一 編『音楽通論キーワード150』
予価:本体2200円+税
音楽を総合的に理解するための事典。
◎以下続刊──
中川 敬『シネマは自由をめざす!』
予価:本体2500円+税
「ソウル・フラワー・ユニオン」のリーダーによる反骨の映画論。
D.ハスト+S.スコット/おおしまゆたか 訳
『聴いて学ぶアイルランド音楽』
予価:本体3000円+税
コンパクトな入門書の決定版!
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■ アルテスのおすすめ! 旬の音楽情報
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◎ライヴ/コンサート/イヴェント
1/18|つるとかめ
http://www.shigeri.jp/tsurutokame_live.htm
1/19,20|オペラ《オルフェオ》|濱田芳通(音楽監督・
指揮)+伊藤隆浩(演出)
http://www.kanagawa-ongakudo.com
1/19,1/20,3/12~4/26|アリエル・アッセルボーン
http://www.arielasselborn.com/concert/index.html
1/25|勝手にブラス・フェスタ!(ジンタらムータ他)
http://www.cicala-mvta.com/
1/25|ハンバート ハンバート 春公演「おいらの船」
http://www.plankton.co.jp/humbert/index.html
1/26|中山康樹・村井康司・後藤雅洋「ジャズ・ジャーナリズムの
現状を考える第2回」@四谷「いーぐる」
http://d.hatena.ne.jp/eaglegoto/20071220
1/31、2/10~24|ハシケン
http://www.hasiken.com/live_all.html
2/8~11|マーティン・ヘイズ&デニス・カヒル
http://www.mplant.com/martinhayes/giginfo08.html
2/27|波多野睦美 キャバレー・ソングを歌う
http://artes.seesaa.net/article/67573352.html
2/29|ピアソラ『若き民衆』小松亮太他
http://www.operacity.jp/concert/2007/080229.php
2/16|再現演奏会1941-1945~日本音楽文化協会の時代~
http://artes.seesaa.net/article/69041993.html
3/15|「国撃タレテ響キ在リ」
http://perrysan.okoshi-yasu.com/top.html
3/22~29|ソウル・フラワー・ユニオン“闇鍋音楽祭2008”
http://www.breast.co.jp/soulflower/schedule/live.html
※1/26,27に予定されていた「ブラスフェスタ2008」は主催者の都
 合により中止となりました。
◎新刊/近刊/雑誌
小鍛冶邦隆(著)『作曲の技法』音楽之友社
http://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?Code=106050
後藤雅洋(著)『ジャズ喫茶四谷「いーぐる」の100枚』集英社新

http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0421-f/index.html
北中正和(著)『新版 ロック スーパースターの軌跡』音楽出版

http://www.cdjournal.com/Company/products/mook.php?mno=20071214
徳丸吉彦・高橋悠治・北中正和・渡辺裕(編)『事典 世界音楽の
本』岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/0236720.html
村上春樹/和田誠(著訳)『村上ソングズ』中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/new/2007/12/003896.html
大谷能生+木村覚+佐々木敦『ベクトルズ創刊号』(CD-Rマガジン)
HEADZ
http://unknownmix.exblog.jp/
岩崎眞美子・サイトウトモミ(共著)『しあわせを呼ぶ和ごよみ』
学研
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4054036023
『AFTERHOURS』Vol.24(雑誌)
http://www.afterhoursmagazine.jp/
北里義之(著)『サウンド・アナトミア 高柳昌行の探求と音響の
起源』青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%A5%B5%A5%A6%A5%F3%A5%C9%A1%A6%A5%A2%A5%CA%A5%C8%A5%DF%A5%A2
中山康樹&ジャズストリート(著)『読んでから聴け!ジャズ100
名盤』朝日新書
http://premium.asahi.com/jazz100/index.html
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ARTES インフォ*クリップ[vol.003]
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発行日:2008年01月10日
発 行:株式会社アルテスパブリッシング
    東京都稲城市若葉台3-1-1 B-3F 〒206-0824
    TEL 042-313-2545|FAX 042-313-2544
    info★artespublishing.com
営業部:東京都杉並区下井草4-9-10-101 〒167-0022
    TEL 03-6420-3860|FAX 03-3301-3800
    order★artespublishing.com
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