3/13 「作曲家 三輪眞弘の世界」(栃木県立美術館)

三輪眞弘音楽藝術

栃木県立美術館で1/22(土)〜3/21(月・祝)のあいだ開催される「ズィビレ・ベルゲマン展」の関連企画として、3/13(日)同館にて三輪眞弘さんの作品の演奏会がおこなわれます。演奏されるのは、ドイツ国歌をモチーフに多重な意味を含ませながらコンピュータ・アルゴリズムによって作曲された弦楽四重奏曲《皇帝》、「西洋音楽の正統な編成によって奏でられる架空の民族音楽」である弦楽六重奏曲《369(Harmonia II)》の2曲。分断ドイツを見つめた女性写真家の回顧展のかたわらで、三輪さんの音楽はどのように響くのでしょうか。

[木村]

ミュージック・イン・ミュージアム
「作曲家 三輪眞弘の世界」
http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/jp/event/index.html
2011年3月13日(日)午後2時より
企画展示室(予定)
演奏予定曲目:
 弦楽四重奏曲ハ長調《皇帝》(2000年)
 弦楽六重奏曲《369 (Harmonia II)》(2006年)
演奏:TOYOTAKArutetto、他
解説:三輪眞弘(作曲家、IAMAS教授)
──弦楽四重奏曲《皇帝》はコンピュータ・アルゴリズムによって作られた変奏曲である。──
(『三輪眞弘音楽藝術 全思考 一九九八- 二〇一〇』アルテスパブリッシング、2010年、p.43)
──《369》はロマン主義音楽時代にほぼ完成をみた(現代テクノロジーによってさらに完璧になっている)西洋音楽における抽象化され、自由に組み合わせ可能な素材としての音/音符によって構築されることを真っ向から拒否しつつ、弦楽六重奏というもっとも西洋音楽の正統な編成によって奏でられる架空の民族音楽である。──
(『三輪眞弘音楽藝術 全思考 一九九八- 二〇一〇』アルテスパブリッシング、2010年、p.158)
三輪眞弘(みわまさひろ)略歴
1958年東京生まれ。1974年東京都立国立高校入学以来音楽活動を開始。1978年渡独。ベルリン芸術大学で作曲をユン・イサンに、1985年よりロベルト・シューマン音楽大学でギュンター・ベッカーに師事。卒業後は作曲家としてドイツを拠点に活動するかたわら、ロベルト・シューマン音楽大学、ケルン・メディア芸術大学の非常勤講師を勤め、1996年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)の創設メンバーの一人として帰国、同年、 IAMAS教授、2001年に情報科学芸術大学大学院教授に就任。1980年代後半からコンピュータを用いた作品の可能性を探求し、特にアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。著書に『コンピュータ・エイジのための音楽理論』(ジャストシステム、1995年)『三輪眞弘音楽藝術 全思考1998-2010』(アルテスパブリッシング2010年)。旧「方法主義」同人。コンピュータ歌唱ユニット「フォルマント兄弟」の兄。