『モーストリー・クラシック』2025年7月号に井上登喜子著『オーケストラと日本人』の書評が掲載されました。評者は産経新聞記者の江原和雄さん。
著者が強く訴えたかったのは21世紀に求められる「オーケストラ文化の多様性」。社会のグローバル化が進み「西洋中心的な一元的な文化的価値観の支配はもはや崩れつつ」あり、あらたな聴衆層を開拓できずに先細りしていけば、「正典」の継承そのものが途絶える、と警鐘を鳴らす。
このように紹介したうえで、
本書でも指摘されているが、日本のオーケストラは世界で最も保守的だろう。しかし、クラシックは滅びる、と言われて何年たつだろう。「正典」レパートリーを初めて聴く高齢の聴衆が入れ替わり、絶えることなく続いてきたことも確かだ。巨大なオーケストラの生の音楽の魅力は陳腐化したプログラムに勝るのかもしれない。
とご自身の見解を披瀝されています。