日本経済新聞で岡田暁生さんが『外交官の耳、作曲家の眼』を紹介

2025年6月7日付の日本経済新聞にて、岡田暁生さんが戸田邦雄著『外交官の耳、作曲家の眼』を紹介してくださいました。

作曲家・戸田邦雄の二刀流人生──終戦へ 外交官としての言葉 岡田暁生|日本経済新聞(会員限定)

外交官でありながら、戦後現代音楽をリードした作曲家であった戸田邦雄の「二刀流人生」に着目。同書冒頭に収録された「終戦に至る仏領インドシナでの外務省勤務の日々の回想」である「八月に想う」という随想について、

すべて格調高い淡々とした調子で語られる。あまりに淡々としているので、つい読み流しそうになる。しかし語られる事柄の重さにふと気づき、少し前に戻って読み直す。著者の体験の深淵が次第に生々しくわかってくる。今度は一行一行繰り返し読む。言葉を失う。淡々とした調子は絶望の果ての達観なのだと気づき、「言葉の品位と重さ」ということを改めて思い出す。

と紹介。

この本で専門知識なしに読めるのは、この巻頭エッセイだけかもしれない。[略]
にもかかわらず私は、専門論文まで含め、どうしても本書を一般読者に紹介したかった。外交官として「あの」体験をした人が、同時に作曲家として「この」世界を自分の中に持っていた。そんな日本人がかつていたと、少しでも多くの人に知ってほしかったのである。

このように強く推薦してくださいました。

2009年に発売した同書はただいま在庫僅少。ネットショップでは7,000円を超える価格がついたりもしていますので、お読みになりたい方は急いでご注文を。