本日(2025年4月5日)付の毎日新聞朝刊読書面に井上登喜子著『オーケストラと日本人』の書評が掲載されました。
今週の本棚|『オーケストラと日本人』=井上登喜子・著|毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250405/ddm/015/070/004000c
冒頭、
クラシックの演奏会に通っていると気づくことがある。世界に作曲家はあまたいるのに、ベートーベンやブラームスなど特定の作曲家の作品に触れる機会が多い。その肌感覚を裏付けた貴重な一冊だ。
と、一般の音楽ファンの感覚をふまえたうえで、
ファンの多い作品を演奏し集客を狙っていることもあるだろう。だが、それだけではない。音楽は時代を反映する。異文化である西洋音楽を日本はなぜ受容したのか。その背景を探る問いかけが展開される。
と本書の問題意識へうまく橋渡ししてくださいました。
短評ですが、学術書のスタイルをとる本書が、じつは誰にとってもアクチュアルなテーマをはらんでいることを鋭く指摘する、とてもうれしい書評でした。