秋山和慶さんの逝去を悼んで

指揮者の秋山和慶さんが1月26日(日)、肺炎のため亡くなりました。

【訃報】東京交響楽団 桂冠指揮者 秋山和慶氏 逝去|東京交響楽団

指揮者の秋山和慶さん死去 84歳 幅広いレパートリーで国際的活躍|毎日新聞

当サイトでも既報のとおり、1月23日に指揮活動からの引退を発表したばかり。これから厳しいリハビリに取り組み、いつか公の場に元気な姿を見せてくださることを心待ちにしていただけに、その3日後に届いたとつぜんの訃報に呆然とする思いです。

秋山さんの自伝『ところで、きょう指揮したのは?──秋山和慶回想録』の共著者で、元中國新聞客員編集委員の冨沢佐一さんが今朝(1月29日)の中國新聞に追悼記事を寄せておられます。

「目立たない指揮者」信条 秋山和慶さんを悼む 冨沢佐一|中國新聞(会員限定記事)

 「ああ、いい演奏だった。ところで、今日の指揮者は誰だったっけ」と言われるほど、指揮者は目立たないのがよい──というのが信条だった。聞き書きをもとに出版した本の題名「ところで、きょう指揮したのは?」もここから生まれた。
[略]
 レパートリーは800曲。それでいて「楽譜は何度見直しても新たな発見がある」「演奏に完成ということはない」と言い続けた60年。ひたすら音楽の高みを目指した指揮者人生だった。

聴き手が指揮者の存在を忘れるほどの「無私」を貫いたことにより、かえって秋山和慶さんの誰にも代えがたい巨大な存在感は、多くの音楽ファンの記憶に刻みこまれているのではないかと思います。

なお、『ところで、きょう指揮したのは?』の紙版は残念ながら品切れとなっています。昨年末にリリースした電子版をぜひお読みください。

秋山和慶+冨沢佐一 著
ところで、きょう指揮したのは?
アマゾンhonto.jp楽天ブックスbookwalkerdブックGoogle Playどこでも読書Apple Books