冬木透さんの逝去を悼んで

ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた

『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』などのウルトラシリーズやNHK連続テレビ小説『鳩子の海』などの音楽、新聖歌40番「ガリラヤの風かおる丘で」ほかの宗教音楽でも知られる作曲家の冬木透(本名:蒔田尚昊)さんが12月26日、誤嚥性肺炎のために逝去されました。享年89。

訃報のお知らせ|株式会社ヴォートル

作曲家の冬木透さん死去 「ウルトラセブン」の主題歌などを担当|朝日新聞デジタル

弊社では、青山通著『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』(2013/新潮文庫、2020)の制作にご協力いただいたほか、青山通著『ウルトラセブン・スコア・リーディング──冬木透の自筆楽譜で読み解くウルトラセブン最終回』(2015)では監修をお願いしました。

本名の蒔田尚昊(まいた・しょうこう)名義で本格的な宗教音楽や芸術音楽を手がける冬木さんのクラシック音楽への造詣と愛情が、『ウルトラセブン』などのドラマに深みを加え、たんなる子ども向けのテレビ番組と一線を画する風格をあたえていたことは、多くのファンが証言するところ。子どものころにテレビで冬木さんの音楽に接したことがきっかけで、作曲や音楽の研究を志した人も多いようです。

ひとつの時代を劃し、わたしたちの感受性に大きな影響をおよぼした巨星が、またひとり旅立たれたことにさびしさを感じずにはいられません。

冬木先生、どうぞ安らかにお眠りください。