『キネマ旬報』2024年9月号に大森さわこ著『ミニシアター再訪〈リヴィジテッド〉──都市と映画の物語 1980-2023』の書評が掲載されました。評者は編集者で映画批評家の高崎俊夫さん。
同書のもとになったネット連載にさいしては、「2000年代に入ると姿を消してしまった大半のミニシアターの経営者、支配人たちを再訪し、その証言とともに往時を振り返るという趣向そのものが、否応なく甘美でノスタルジックなトーンを帯びざるをえない」と危惧を抱いたそうですが、
しかし大幅に加筆されて完成した600頁を超える本書を読むと、がらっと印象が変わった。たんなる郷愁という次元ではなく、あの眩いばかりの熱気と興奮に満ちたミニシアターの時代とは何だったのか。その時代精神を語り継いでゆかなくてはならないという著者の強い意志が行間からみなぎっているように感じられるからである。
と本書からポジティヴな思いを汲みとってくださいました。