詩集のように編まれたセラピーの記録──『精神療法』に『シューベルトの手当て』の書評掲載

『精神療法』第50巻第4号(金剛出版)にクレール・オペール著/鳥取絹子訳『シューベルトの手当て』の書評が掲載されました。評者は愛知みずほ大学人間科学部心身健康科学科教授の長岡由紀子さんです。

 本書は、あるアートセラピストによるセラピーが、詩集のように編まれた本である。

このように書き出され、同書の内容や著者のこと、印象的なエピソードなどを紹介したうえで、

 本書の章はいずれも非常に短い。そこでは多くの患者とのケースが紹介されている。楽章のタイトルはその章で取り上げる患者の名前となっているが、その下に著者がセラピーで弾いた楽曲名が記されている。ぜひ、その楽曲をBGMにして読んでいただきたい。文章として綴られた言葉の世界から、著者と患者の感性が響き合う世界に誘われるだろう。
 本書は、詩集のように編まれたセラピーの記録なのだから。

と結んでくださいました。

精神療法の専門家から深い共感をいただき、うれしく思います。