松岡正剛さんが「千夜千冊」で『親愛なるレニー』を紹介!

編集工学者の松岡正剛さんがライフワークとして長年書きつづけておられる「松岡正剛の千夜千冊」にて、吉原真里著『親愛なるレニー──レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』が紹介されました。

ジューン・シンガー『男女両性具有Ⅰ・Ⅱ』|松岡正剛の千夜千冊(1820夜)

冒頭、バーンスタインの交響曲第3番《カディッシュ》が「両性具有的(アンドロジニック)」であると喝破し、白洲正子から『親愛なるレニー』を経由して、

 《カディッシュ》はバーンスタインがゲイあるいはバイセクシャルであったろうことを想うと、いっそう心に滲みる楽曲なのである。いまではよく知られていることだろうが、バーンスタインはLGBTQ+のG(ゲイ)であってB(バイ)だった。けれどもその音楽はむしろ「Q+」だったようにも思われる。

とバーンスタインの両性具有性についての考察を深め、ユング派の心理学者であるジューン・シンガーの著書『男女両性具有』へといたるという流れです。

思いもかけないものへの連想のつながりから、その底に深く太く流れる思想の源流が見えてくるような、まさに“松岡節”を堪能できる一篇となっています。