『音楽の友』に『バッハ学者は旅をする』の書評掲載

『音楽の友』2022年1月号に樋口隆一著『バッハ学者は旅をする──私の音楽草枕』の書評が掲載されました。評者は小沼純一さん。

こうした文章はある年齢にならないと書きにくいかもしれず、それはまた、読み手を選ぶ。ただ書かれていることだけを情報として得るような読みかたでは、なかなか本の意味がとらえられないし、本の意味だけでなく、こういうことばをつらねることばの意味、その生のありようまで透視しなくては読んだ甲斐がない。

としたうえで、

[…]じぶんが何かを考え、学ぶというのは逆説的だが、場所を選ばないということも、ここではあきらかになっているようにおもう。みずからを多く語る機会のない音楽学者がどういうふうに「成立」するのかを知るにも有意義な、といえようか。

と結んでくださっています。小沼さんらしい、書物そのもののありようにも目を配った書評。とてもうれしく読みました。