『紫明』に『フォルテピアノ』の書評掲載

丹波古陶館が発行する丹波篠山市の2つの美術館、丹波古陶館と篠山能楽資料館の友の会機関誌として発行されている芸術文化雑誌『紫明』第48号に筒井はる香著『フォルテピアノ──19世紀ウィーンの製作家と音楽家たち』の書評が掲載されました。同館は、丹波焼の創世期から江戸時代末期に至る700年間に作られた代表的な品々を展示しており、『紫明』は会員向けに年2回発行されている「藝術文化雑誌」です。評者は同誌の編集責任者、服部規子さん。

 現在のように既製の楽器を購入するのではなく、音色やタッチの微調整、部屋に見合った大きさ、美観要素としての使用木材の指定など、顧客の要望に応じた製作過程が顧客とのやり取りから明かされるくだりに驚き、ベートーヴェン作品に対する分析には、今まで
不思議に感じていたペダル指示や強弱記号に対するひとつの解答を得た思いがした。
 作曲で使われた楽器について知ったうえで音楽に接すると、見えなかったものが見え、聴こえなかったものが聴こえてくる。こうした研究が進めば、作品の解釈や作曲家の実像解明にも新たな地平が広がることだろう。

と古陶器の美術館ならではの見地で評してくださいました。ありがとうございます。

【2021/03/30訂正:当初『紫明』について「丹波古陶館が発行する」と記載していましたが、丹波古陶館と篠山能楽資料館という2つの美術館の機関誌であることがわかりましたので訂正いたしました】