連作ミステリーを読むようで楽しい。万人に薦めたい驚異の書|『サウンド&レコーディング・マガジン』に『シューベルトの「冬の旅」』の書評掲載

『サウンド&レコーディング・マガジン』6月号にイアン・ボストリッジ著/岡本時子+岡本順治訳『シューベルトの「冬の旅」』の書評が掲載されました。評者はもちろんミュージシャンの横川理彦さん。

本書の醍醐味は『冬の旅』の内容を音楽/歴史/社会的に解説するだけではなく、そこから現代にまで通じるさまざまな文化的トピックを次々に提示していくところにある。24の歌曲を、順番にテーマごとに解説していくのが、連作ミステリーを読むようで楽しい。

 著者の力量が光るところは、その解釈が現代にまでつながっていることだ。グロトフスキーの『貧しい演劇』における共通点や、ボブ・ディランの「くよくよするなよ」に通じる歌唱法など、刺激的な論議が山積みになっている。音楽ファンだけでなく、万人に薦めたい驚異の書だ。

と絶賛してくださっています。横川さん、ありがとうございました![G]