『ナチュール 自然と音楽』の目次を公開します

「ラ・フォル・ジュルネ2016」のオフィシャルブックとして4月28日に発売予定のE.レベル著/西久美子訳『ナチュール 自然と音楽』。現在、絶賛編集中ですが、一足先に目次を公開いたします。【2016/03/02:目次を一部修正しました】

日本版に寄せて(ルネ・マルタン)

序──イシスのヴェールとオルフェウスの竪琴
自然を象徴する女神イシス/科学から芸術へ/自然──多様な意味をもつ概念

第1章|アルカディア──ヴィヴァルディの《四季》をめぐって
描写音楽/[《四季》のソネット]/自然の模倣/音楽による模倣――狩りと鳥のさえずりを中心に/羊飼いとニンフ/オルフェウスとパストラーレ/自然の象徴

第2章|庭園──ラモーからルソーまで
四大元素:混沌から調和へ/宇宙の仕組み/「自然にもとづいた」音楽/渦巻/自然、芸術、人工物/フランス式庭園からイギリス式庭園へ

第3章|雷雨──ベートーヴェンの「田園」交響曲をめぐって
自然とのふれあい/自然災害の現実味/心の中に吹く嵐/崇高なるものの体験/音画

第4章|風景──ロマン主義と自然
山と森/絶景の旅/国々を象徴する川/夜の風景/エオリアン・ハープ

第5章|動物学的間奏曲──生き物たちの謝肉祭
動物たちの鳴き声/寓話の中の動物たち/自然主義と動物たち/白鳥とナイチンゲール

第6章|風・水・火・土──象徴主義と原始主義のあいだ
自然とテクノロジー/風と自由/水と夢/火と近代化/土と未開

第7章|環境──野外の音楽から音のエコロジーまで
鳥類学者・兼・作曲家/マイクを携えて/自然と電子音響音楽/世界旅行へ/サウンドスケープと音のエコロジー/オペラは地球を救う?

第8章|宇宙──音楽のモデルとしての自然
作曲書法と自然の類似/植物/星に耳を澄ませて/普遍概念

結び──自然は「ユートピア」なのか?

訳者あとがき

参考文献
人名索引

◎コラム
 ヴィヴァルディ以降の「四季」
 フランスのクラヴサン音楽と自然
 ベートーヴェンの時代の「田園交響曲」
 19、20世紀の夜の音楽
 音楽愛好家のためのミニ動物事典
 オーケストラが奏でる動物たち
 19、20世紀の水にまつわる音楽作品
 太陽と月
 花が彩る音楽の世界

LFJ音楽監督のルネ・マルタンが発案し、音楽学者レベルに執筆を依頼したというこの本。マルタンが思い描いた「自然と音楽」の世界が余すところなく盛り込まれた内容となっています。本書を読みながら参加すれば、音楽祭を何倍も深く楽しめること間違いなし! ぜひご期待ください。