速報! 吉田秀和賞受賞!!

音盤考現学

本日、発表された「第18回吉田秀和賞」の受賞作は、なんと! 片山杜秀さんの『音盤考現学』『音盤博物誌』!! 2作合わせての受賞となりました。
選評は以下のとおりです。

 天才と博識がはじけ出てくるような批評集である。
 100回におよぶ連載コラムを2分冊にまとめたものだが、各回1枚のディスクを取り上げ、作曲家や作品、その演奏について勘所をおさえ、そこから連想されるあらゆることに現代的視点から意味をあたえ、さらなる連想へと展開してゆく。その展開たるや息もつかせない。1枚のディスクから今の時代を切ってみせるという独特の視点は、日本の近・現代音楽について語るとき、特に熱をおびる。薀蓄の深さ、オタク的偏愛ぶりは驚異的だ。国外の音楽に向かうときも、この態度はより鮮明で、モーツァルトを表現主義音楽の元祖ではと提唱してみたり、バレンボイムの演奏術をシオニズム運動の精神に結びつけたりと、その批評眼は端倪すべからざるものがある。たいへんな力業だ。
 まったく新しい批評のスタイルを生み出した。

吉田秀和賞は「吉田秀和芸術振興基金が平成2年に創設。優れた芸術評論を発表した人に対して賞を贈呈し、芸術文化を振興することを目的」とする賞です。審査委員は吉田秀和、加藤周一、林光の三氏です。
片山さん、やりましたね! アルテスにとっても、創立1年にしてたいへんな栄誉にあずかり、メンバー一同、信じられない思いです。みなさんの応援に心から感謝しています。

[木村]