新刊|小鍛冶邦隆(著)『作曲の技法』音楽之友社

これは画期的な本です!
作曲家で東京現代音楽アンサンブルCOmeTのディレクター・指揮者、東京藝術大学准教授の小鍛冶邦隆氏による作曲法概説。副題は「バッハからヴェーベルンまで」、オビには「作曲技法の歴史的変遷を実際の音楽作品から読み解く」とありますから、通史的な記述と思いきやさにあらず。「対位法」「ソナタ形式」「無調」といった作曲法の重要なタームをめぐって、たとえば「バッハとヴェーベルン」、たとえば「ブラームスとシェーンベルク」が対比され、作曲という行為の要諦がが「モデル(規範)とエクリチュール(書法)の再発見」(これもオビより)にあるのだということが主張されています。
作曲家をめざす学生だけでなく、作曲という行為に関心をもつひと、音楽様式の変遷に関心をもつひとにとって必読の書です。[木村]
http://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?Code=106050