山崎浩太郎さんが『クラシック迷宮図書館』を書評してくれました

クラシック迷宮図書館

演奏史譚家の山崎浩太郎さんが「はんぶるオンライン」の「可変日記」にて、片山杜秀さんの『クラシック迷宮図書館』を書評してくださっています。2/1の日記。

……ここで片山さんが重視しているのは、その本がいかに売れそうな、多くの人が興味をもちそうな「テーマ」を選んだかよりも、いかに個性ある「主張」をしているかだ。
 その主張(ときに著者が自覚していない矛盾そのものであったりする。秋山邦晴の「戦後民主主義的史観」とか)が、片山さんならではの視点と把握で、一冊のなかから、活力にみちた文体によってグワッとつかみだされる。
 肝心なのは主張の正当性ではない。それは二の次だ。説得力のあるもの、いかにもトンデモなもの、その違いは片山さんの好意的な形容や皮肉な言い回しなどの使い分けで見当がつくけれども、とにかくそれは二の次だ。主張の独創性、斬新さ、勢いの強さ。それらを選び、キモを鷲づかみにし、読者の前に放りだす。

「主張の独創性、斬新さ、勢いの強さ」──これらはご自身の演奏家評にもそのまま共通しそうな指標ですね。山崎さん、ありがとうございました。

[木村]