井上章一さんが『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール』を書評

ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール

8/11付けの日本経済新聞夕刊「エンジョイ読書」欄で、風俗史家で国際日本文化研究センター教授の井上章一さんが、吉原真里さんの『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール』を書評してくださいました。ひとり3冊のおすすめ本を紹介するコーナーで、同書を筆頭にあげてくださっています(ウェブでも読むことができます→コチラ)。

 話は、音楽だけにおわらない。フォート・ワースにとっての街おこしめいた側面へも、光をあてている。コンクールをささえる裏方、ボランティアやスポンサーの様子が、よくわかる。クラシック音楽をはぐくむアメリカ社会そのものが、とらえられている。
 社会階層や人種のちがいといった問題からも、目はそむけない。ととのった広報体制が、ピアニストたちに負担をかける様子も、えがいている。そのうえで、このコンクールがめざす理想も、好意的にあらわす、バランスのとれた読み物だ。

ご自身もピアノを演奏する井上さん、ほかの2冊も音楽書──玉木宏樹さんの『贋作・盗作 音楽夜話』(北辰堂出版)と渡辺裕さんの『音楽は社会を映す』(春秋社)──でした。どうもありがとうございました。

[木村]