『パウル・クレーの文字絵』、発売しました!

先週土曜日(5/22)発売の『パウル・クレーの文字絵』。アルテスとしては初の美術関連書です。
文字絵というのは、文字そのものをおもな造形要素として構成された絵画のこと。ただたんに、文字によってつづられた意味を表象するのではなく、韻律や発音など、時間的であったり音楽的であったりする要素を、絵画という平面的な空間にどう表現するかという野心的な試みです。
幼いころからヴァイオリンに親しみ、オーケストラでも演奏していたクレー。クレーの絵が音楽的だということはよくいわれることですが、本書はそのほんとうの意味を実証的に解き明かしたものともいえます。
1916年から21年に集中的に制作された文字絵をとおして、その後大きく展開されるクレーの芸術思想の根幹にせまる画期的な論考。美術に関心をもつ方だけでなく、音楽愛好家の方々にもぜひ読んでいただきたい好著です。

[木村]