小鍛冶邦隆さんの連載「音楽・知のメモリア」。第4回は「ア・ヴォルフガング・クライシス」と題して、モーツァルトの実像に迫ります。
バッハの時代に準備された社会構造が、平均律という「音響学的な暴挙」を導き(おそらく絶対王政の確立とパラレルなものとして)、モーツァルトの鋭敏な聴覚とその構造化された音律との間の軋みが、近代人としての内面の危機を表出する──小林秀雄以来の情緒的なモーツァルト理解を根底から更新する、画期的なモーツァルト論ではないでしょうか。
[木村]
ページをめくれば、音楽。
小鍛冶邦隆さんの連載「音楽・知のメモリア」。第4回は「ア・ヴォルフガング・クライシス」と題して、モーツァルトの実像に迫ります。
バッハの時代に準備された社会構造が、平均律という「音響学的な暴挙」を導き(おそらく絶対王政の確立とパラレルなものとして)、モーツァルトの鋭敏な聴覚とその構造化された音律との間の軋みが、近代人としての内面の危機を表出する──小林秀雄以来の情緒的なモーツァルト理解を根底から更新する、画期的なモーツァルト論ではないでしょうか。