片山杜秀さんと音楽書の関係を根掘り葉掘り(2/18青山ブックセンター六本木店)

クラシック迷宮図書館

たいへん遅くなってしまいましたが、2/18(木)夜、青山ブックセンター六本木店にておこなわれた片山杜秀さんトークショウ「クラシックと活字の森へ」のご報告(すみません、昨日まで『続・クラシック迷宮図書館』の編集作業でブログ書く時間がなかったんです^^;)。
クラシック迷宮図書館』の発売を記念して、青山ブックセンター六本木店の柳瀬さんのお声がけで実現したこのイヴェント。多数のお客さんにご来場いただき、あらためて片山さんの人気を感じました。聞き手は僭越ながらワタクシ、木村がつとめさせていただきましたが、ふだんは仕事の話が中心になって、なかなか細かくうかがうことができないでいたあれこれを、これをチャンスと根掘り葉掘りお聴きしてしまいました。
片山さん、この日のためにわざわざ本を何冊か持ってきてくださったんですが、いずれも中学・高校時代に愛読というか愛用されていた書物。属啓成『名曲事典』、秋山邦晴『日本の作曲家たち(上・下)』、Schwannのレコードカタログなどなど……。面白いのは、いわゆる「評論」というよりも、「資料」的な書物ばかりということ。それぞれの本のなかでも、「読みもの」的な部分ではなく、「作品一覧」などのデータ欄に赤線が引いてある。このあたり、片山流音楽批評の原点を見た思いがしました。
最後には来場された方々から、いろいろと質問もいただきました。「片山さんの批評に故・長岡鉄男さんの批評と通ずるものを感じるが、ご自分はどう思われているか」という質問も飛び出しましたが、片山さんの答えは「自分はオーディオ・ファンではなかったが、長岡さんがひじょうに自由な感性で、クラシック・プロパーの人なら、なんで?と思うような作曲家をどんどんリスペクトしていく、ある意味破壊的な批評に、たいへん影響された」と、たいへん興味深いものでした。
続編となる『続・クラシック迷宮図書館』は、早くも今月20日の発売となります。3/25の横川理彦さんとのトークセッション(ジュンク堂書店新宿店)、4/17の高橋源一郎さんとのトークセッション(ジュンク堂書店池袋店)と、刊行記念イヴェントが目白押しです。いずれも初顔合わせ、なにが飛び出すかわからないぶっつけ本番トークにどうぞご期待ください。

[木村]

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前のデスクに置かれているのが、片山さんの「音楽批評の原点」ともいうべき書物たち(いまでも現役で活躍中!)

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