小鍛冶邦隆「音楽・知のメモリア」第9回をアップ!

作曲の思想

ラヴェルをテーマにした第8回「モーリス! 不能の愛」から少し間があきましたが、待望の第9回がアップされました。
小鍛冶邦隆「音楽・知のメモリア」
http://www.artespublishing.com/serial/kokaji/index.html
今回は「メシアン、あるいは「知の継承(Le savoir transmis)」をめぐって」と題し、20世紀フランス作曲界の「慈父」こと、オリヴィエ・メシアンが主人公。メシアンにとって作曲と分析とが分かちがたく結びついていたこと、シュトックハウゼンやブーレーズといった弟子たちに伝えようとした「音楽の知」とはなにか、そしてその背景となったパリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)の教育システムの変遷など、これまで語られることのなかったメシアン像、フランス現代音楽の真実が明かされます(個人的には「ラヴェル事件とフォーレの陰謀」という部分にも、関心をそそられています)。
なお、小鍛冶さんの著書『作曲の技法』(音楽之友社)がこのほど第5刷となったとのこと。こうした本格的な音楽理論書が着実に読者を得ていることをたいへん心強く思います。また、既報のとおり、来る4/16(木)、東京藝術大学奏楽堂でおこなわれる「創造の杜’09」にて、小鍛冶さんの新作、オーケストラのための《ドゥーブル・レゾナンスⅢ》が初演されます。連載第8回を脱稿後、作曲に専念されていた作品です。みなさんもこの機会に小鍛冶さんの音楽世界にふれてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、演奏会の予習用にはこちらのCDがお薦めです^^
ドゥブル-レゾナンス 小鍛冶邦隆作品集(Amazon.co.jp)

[木村]