季刊『アルテス』、11月に創刊!

アルテス VOL.01 2011 WINTER 特集〈3.11と音楽〉

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たっぷり紙幅をとって質の高い評論や批評、研究を書いてもらえるメディアを作りたい、というアイデアは、それこそアルテスを始める前からぼくも木村も持っていたのですが、創業5年目にしてついに実現させます。
題して季刊『アルテス』! って社名そのまんまですけど、音楽という領域ではかなり幅広いジャンルやテーマを手がけているアルテスの全体像を明確に打ち出したい、という思いもあって、正攻法で行くことにしました。編集スタッフには“狂気のフォーク・デュオ”公魚(わかさぎ)の二人にも参加してもらっています。
創刊号では〈3.11と音楽〉というテーマで特集を組みました。東日本大震災と続く原発事故を、あくまで音楽に軸足を置いて考えたいという企画。ご協力いただいた皆さんのおかげで、シンポジウム、論考、インタヴュー、いずれも示唆に富んだ充実した内容の濃いものとなりました。
久しぶりの雑誌スタイルの編集が楽しくてつい欲張った結果、当初の構想の1.5倍のボリュームに膨らんでしまい、自分たちの首を絞めることにもなりましたが、「こういう視点、こういう作りの雑誌ってありそうでなかったよな」と胸を弾ませています。
次の2号目を来年3月に発行し、そのあとは3ヵ月ごとに1冊ずつ出していく予定です。どうぞご注目ください!

[鈴木]

『アルテス』Vol.01 2011 WINTER 特集【3.11と音楽】
片山杜秀/岡田暁生/吉岡洋/三輪眞弘/坂本龍一/ピーター・バラカン/高橋悠治/大友良英/佐々木敦/三上敏視/輪島裕介/川崎弘二/石田昌隆/毛利嘉孝/李京粉/大石始/おおしまゆたか/太田純貴/荻原和也/三井徹/Onnyk/加藤典洋/金子智太郎/椎名亮輔/ト田隆嗣/鈴木治行/谷口文和/長谷川町蔵/濱田芳通/山崎春美
 A5判・並製・256ページ
 定価:本体1300円[税別]
 発売:2011年11月25日(予定)
 ISBN978-4-903951-49-2 C1073
 編集協力:公魚(高橋智子、渡邊未帆)
 デザイン:宮一紀


◎目次
[巻頭エッセイ]
  片山杜秀:3.11と12.8
[シンポジウム〈3.11 芸術の運命〉]
  岡田暁生:芸術はなおも「頑張る物語」を語り得るか
  吉岡洋:死者のまなざしの中にみずからを置くこと
  三輪眞弘:電気エネルギーはすでにわれわれの身体の一部である
       ──中部電力芸術宣言について
  討論 岡田×吉岡×三輪:いま、「癒し」を超える芸術は可能か
  太田純貴:それでもなお、ためらうこと
       ──“hesitation”と/の芸術
[インタヴュー]
  坂本龍一:明日の見えない時代に、耳を澄ます
  ピーター・バラカン:音楽の働き、ラジオの役割
  高橋悠治:問いかけながら道をいく
  大友良英:福島と下北沢──“まつり”は自分たちの手で
[特別寄稿]
  佐々木敦:「音楽に何ができるか」と問う必要などまったくない
  三上敏視:神楽・民俗芸能と東北復興
[Re: music…〈音楽へ──〉]
  大石始:まつりの島 La isla de carnaval(1)
  濱田芳通:歌の心を究むべし(1)
  おおしまゆたか:アラブ、アイルランド、アメリカをめぐる
          音楽の旅(上)
  鈴木治行:イマジナリア(1)
  ト田隆嗣:Suara, macam2(スアラ・マチャム・マチャム)
       音声、いろいろ(1)
[連載]
  輪島裕介:カタコト歌謡の近代(1)
  川崎弘二:武満徹の電子音楽(1)
  石田昌隆:音のある遠景(1)
[クロニクル]
  毛利嘉孝:スケッチ・オブ・下北沢(1)
[フィクション]
  山崎春美:ロッカウェイビーチ[1]
  Onnyk:ゴースト[上]
[研究]
  李京粉:日本のユン・イサン(上)
[追悼──中村とうよう]
  荻原和也:反権威を貫いた最高の水先案内人
  三井徹:『ニューミュージック・マガジン』創刊までのこと
[著者エッセイ]
  加藤典洋:「売れ筋」とはなにか
       ──桑田佳祐と非西欧的自己批評の可能性
  長谷川町蔵:ミックステープ・アルバムが音楽業界を変える
  椎名亮輔:デオダ・ド・セヴラックをめぐる人々
[書評]
  谷口文和:クリストファー・スモール『ミュージッキング』
  金子智太郎:Salome Voegelin, Listening to Noise and Silence